スマート水田サービス「paditch」がガラケーに対応

株式会社笑農和は、スマートフォンを持たない層や高齢者からのニーズにこたえ、2020年9月よりスマート水田サービス「paditch(パディッチ)」の電話操作サービスを開始した。これにより、フィーチャーフォン(ガラパゴスケータイ、ガラケー)からでも利用可能となる。

9月中旬現在、対応しているのは「paditch gate02+」。本体価格は16万円(税抜)で、別途年額1万3200円の「基本使用料」「IoTサービス接続料」がかかる。


水田の水管理を省力化

スマート水田サービス「paditch」は米農家の就農人口の減少なども懸念されている現在、持続可能な米づくりを実現するために、農作業工程で一番時間と労力を使う工程を遠隔操作化した製品だ。豪雨時や夏場の高温時にリスクを冒して水門・バルブの調整をしにいく必要がないため、農作業事故の防止にもつながるという。

paditchにできること

1.手元のスマートフォンやPCから水位水温を把握でき、開閉操作することで、今まで水管理に割いていた時間を省力化することが可能。
2.データをクラウド上で管理しており、情報の蓄積が可能。
3.蓄積したデータを分析し収量や収益比較、品質アップにも使用することが可能。

高齢者には操作が不安という声も

昨年度の農業従事者168.1万人のうち、65歳以上が118.0万人で約70%が高齢者となっている。

農林水産省 農業労働力に関する統計

また、携帯電話を所有している60歳~70歳の男女を対象にした利用割合調査では、2019年のスマートフォンの利用者は68.5%、フィーチャーフォンの利用者は31.5%。調査結果からスマートフォン利用者は年々増えていることがわかるが、操作に不安があるという声もあることから、プッシュ操作を導入することによりpaditch導入へのハードルが下がることが期待されている。


MMD研究所 シニアのモバイル利用推移調査

スマホやパソコンがなくても操作が可能に

今回、電話操作サービスを開始した「paditch gate02+」は、従来はパソコンやスマートフォンからの操作が可能であったが、指定の電話番号に電話をかけ、音声に従いプッシュ操作を行うだけで、「paditch gate02+」の開閉および、現在の圃場状態の確認が可能となる。



音声で圃場の確認が取れることにより、視覚障害者の農作業の補助的役割を担うこともでき、農業分野への障害者雇用参入も期待される。将来的には音声のみで操作ができるよう開発を進めている。


株式会社笑農和
https://enowa.jp/
paditchオンラインストア
https://paditch.com/store/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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