ファーマインド、大規模いちご農園を茨城県稲敷市に開設 2025年12月の収穫を目指す

青果流通の総合企業である株式会社ファーマインドは、新たに茨城県稲敷市の大規模農園にて、2025年12月よりいちごの収穫を開始する計画を進めていると発表した。新たな農園では、高効率な生産を行い、持続可能な農業の実現を目指すという。

完成イメージ図

先進技術の導入により持続可能な農業を実現


ファーマインドは、全国規模でコールドチェーンを展開し、青果の総合流通を手がける企業。高品質な青果の効率的かつ持続的な生産を目指し、国内農業の活性化に取り組んでいる。2020年8月には、国内農業の活性化の一環として栃木県壬生町に株式会社ファーマ村いちご農園を設立し、施設栽培を行ってきた。

さらにそれを発展させるため、新たに茨城県稲敷市の2ヘクタールの大規模農園にて、2025年12月からいちごの収穫を開始する計画を進めている。

栽培イメージ
空間を有効活用するリフティングシステム

施設内の空間を有効活用した立体栽培により、単位面積当たりの生産量を増やすことで、経営効率の向上を目指す。また、太陽熱を利用した暖房システムを活用し、省エネルギーにも積極的に取り組むほか、施設内の環境を自動的に管理することで品質の向上や作業負担の軽減を実現していく。

持続可能な農業を目指すための工夫として、具体的には以下の取り組みを行っていく。

1.局所温湯暖房:株元周辺を効率的に温め、適切な温度管理と省エネルギーを両立
2.自動カーテン:日射量や温度により自動開閉し、いちごにも人にも優しい光・温度環境にコントロール
3.炭酸ガス施用:光合成を促進し、いちごの生産性の安定と品質向上を図る
4.減農薬化設備:ハウス内に病害虫の進入を減らし、農薬の散布回数を減らした安心・安全ないちご生産
5.自動養液灌水:積算日射量に応じた無駄のない自動灌水と環境負荷の少ない循環式養液栽培
6.統合環境制御:制御機器類を統合一括制御し、いちごにとって最適な生育環境を作り出す

中まで真っ赤な蜜いちご新農園で栽培する「ロイヤルクイーン」

新農園では、「ロイヤルクイーン」という希少品種のいちごを栽培する予定。この品種は、「女峰いちご」の開発者が手がけたもので、高い糖度と適度な酸味のバランスが絶妙で、シーズンを通しておいしく食べられることが特徴だという。

中まで真っ赤な蜜いちごソース
中まで真っ赤な蜜いちごソース

ファーマインドは、いちごの加工品展開を通じて食品ロスの削減にも取り組んでおり、果実成分63%を含むいちごソースや、鮮度の良い生いちごをリキッド凍結で急速冷凍した冷凍いちごなどを提供している。

同社は、高品質な青果の安定供給と環境負荷の低減を目指し、国内農業の活性化と持続可能な農業の実現に向けて今後も取り組んでいくとしている。


株式会社ファーマインド
https://www.farmind.co.jp/corporate/index.html
株式会社ファーマ村いちご農園
https://farmind-strawberry.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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