農林水産省「令和3年度スマート農業実証プロジェクト」に向けた相談窓口を開設

農林水産省は、ロボット技術やAIなど先端技術を活用したスマート農業技術を生産現場に導入して実証する「令和3年度(2021年度)スマート農業実証プロジェクト」の相談窓口を開設した。

「スマート農業実証プロジェクト」は、農林水産省が2019年に開始したスマート農業の社会実装を加速するためのプロジェクトで、スマート技術の導入による農業経営への効果を検証する。当プロジェクトに関する情報や現場の声、実証データ等は、農林水産技術会議のホームページで公開中だ。



スマート農業の導入を支援し、検証するプロジェクト


現在、スマート農業実証プロジェクトでは、生産者や民間企業、大学、研究機関らで構成された各コンソーシアムを実施者に、稲作や畑作、果樹、花き類など各地の栽培品目に合わせた実証実験を全国148の地区で展開している。

実証実験では、高齢化や担い手不足など日本農業が抱えるさまざまな課題を解決するために、ロボット技術やAI、IoT等の先端技術を活用した省人・省力化に向けた取り組みを実施中だ。

2020年の中間発表では例えば、大規模水田作においては、ロボットトラクター、自動水管理システム、農薬散布ドローン等のスマート農業技術の導入により、1.5割程度の労働時間が短縮されたことが明らかになった。類型に関わらず導入可能な、農薬散布ドローンや自動水管理システムの有効性も判明したという。

人件費の減少効果がみられる一方で、スマート農機を限られた実証面積に追加投資したことにより機械費の増大も顕著となった。そのため同省は今後、スマート農機の能力に見合った適正な活用面積の見極めや、初期投資の影響を緩和するためのシェアリング等の可能性についても検証していきたい考えだ。


令和3年度の相談はメールや電話、テレビ会議等で


令和3年度の募集は、2021年度の予算内容が決定する年明け以降を予定。相談については、メールや電話、テレビ会議等を窓口に、農林水産省技術会議事務局研究推進課の担当者が対応する。

同省は「実証内容の検討には時間を要することから早期に検討を開始することが望ましいため、早めの相談を」としている。


農林水産技術会議
「スマート農業実証プロジェクトについて」
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/smart_agri_pro/smart_agri_pro.htm
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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