持続可能な有機培土「ココカラココピート」を導入したイチゴの養液栽培事例が公開

持続可能な農業生産を目的に施設園芸向けの有機培土「ココピート」の製造・販売を手がけるココカラ合同会社は、兵庫県淡路市で「空飛ぶいちごハウス」として人気のいちご狩り観光スポット、グリナリウム淡路島でのイチゴ栽培事例を公開した。


ココカラは、同社の代表である大原秀基氏とインド人物理学者のアルール・ムルガン氏が設立したサステナブルアグリテックカンパニー。世界最大のココナッツ産地である南インドから、高い保水性と優れた排水性を誇るココピート製品を提供している。

公開した内容は、グリナリウム淡路島で今春初の収穫を迎えるイチゴの養液栽培の様子をインタビューしたものである。

グリナリウム淡路島
グリナリウム淡路島のイチゴ栽培に導入されている「ココカラココピート グローバッグ(TP2)」

従来のココピートと比べて排水性を高く維持


施設園芸の養液栽培に使用する培土は、ココピート、 ロックウール、 ピートモスの3つが主流といわれている。その中でもココピートは、再利用できるなど環境に優しい特性から、ヨーロッパを中心に約80%の栽培施設で使用されている。ココカラが開発したココピートは、粘土化の進行を抑え、排水性が高く維持が可能なため、使用年数が長い。

3つの特性
  1. ココピート栽培の課題である「均一性と安定性」を実現
  2. SDGsの達成に貢献する体制基盤を構築した南インドの拠点で開発
  3. サステナブルな製品デザインで廃棄コストや入替作業コストを大幅に軽減

グリナリウム淡路島で導入された「ココカラココピート グローバッグ(TP2)」は、厳選したココナッツ殻の内皮から取れる上質の繊維と粒のみを加工して製造した養液栽培専用の有機培土。

グリナリウムでは当初、ロックウールの無機培土や他社のココピートを使用していたが、専門業者による埋め立て廃棄コストの上昇や環境面への配慮からココカラココピートの導入を決定したという。


ココカラでは、「農業生産の安定性を実現する課題解決の第一歩は園芸培土にある」として、栽培データを活用した循環型農業の実現に向けた取り組みを継続すると同時に、今後も栽培環境別の事例を公開していく。


グリナリウム淡路島での活用事例
https://cococara.jp/20210315-01/
ココカラ合同会社
https://cococara.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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