リモートワーカーと農業をマッチングする「農ケーション」の実証実験が長野県でスタート

オンライン果物狩りイベントの企画・運営や果物狩り専用のポータルサイト「クダモノガリプラス」の運営を手がけるQtas Japan合同会社は、長野県須坂市の農業・観光事業者とリモートワークが可能な都市部在住の人材をマッチングする実証実験を開始した。


この実証実験は、同市で温泉旅館を営む株式会社古城荘とシャインマスカットを中心にさまざまなブドウ品種を栽培する岡木農園が共同で実施する取り組みである。

須坂市の協力のもと、農業体験とワーケーションを組み合わせた新たな地域振興モデルである「農ケーション」を枠組みに、「農業の慢性的な人材不足」、「地域経済の活性化」、 「リモートワークを含む働き方の多様化」の3つに対応する施策を実施する。

リモートワークを行いながら岡木農園で農業体験



新型コロナウイルス感染拡大が始まった2020年以降、農業の人材不足の深刻化をはじめ、観光業についても大きな打撃を受けている一方で、都市部のIT企業では80%以上がリモートワークを導入するなど、個人の可処分時間が増え、地方移住への機運も高まっている状況にある。

実証実験では、2021年6月下旬~7月上旬までを期間に、東京在住の外資系IT企業勤務の会社員が古城荘でリモートワークを行いながら岡木農園で農業を体験。農家と都市部人材のコラボレーションによる事業創出・まちづくりを目指す。

古城荘の外観・内観
岡木農園のみなさん
今回の実証実験を通じて、農家、都市部人材、地域観光の課題を解決する事業モデル構築に向けた課題抽出を進めると同時に、地方への移住や農業人口を拡大する新たな事業を創出していきたい考えだ。


Qtas Japan合同会社
https://www.q-tas.com/
株式会社古城荘
https://kojousou.co.jp/
岡木農園
http://www.okakifarm.jp/
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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