ぶどう生産を行うノウタス高槻農園株式会社設立、スマート農業の産学共同研究も予定

ノウタス株式会社は、ぶどう生産を行う農業法人「ノウタス高槻農園株式会社」を大阪府高槻市に設立した。

アグリテインメント事業の一環として、人々がぶどうをもっと身近に感じられる参加型農園を目指すほか、さまざまな事業を展開していく予定だ。


ぶどうに関するさまざまな事業を展開


ノウタス株式会社は、2023年に開始した「パープルM」事業を通じて、オンラインぶどう狩り、ぶどうの粒売り、シンガポールへの輸出、ぶどうビールの開発など、さまざまな取り組みを行ってきた。

今回同社が設立した農業法人「ノウタス高槻農園株式会社」では、ぶどうの生産を行うほか、世界展開を見据えたぶどうの新品種の研究や、スマート農業の実用化のための産学共同研究も予定し、さまざまな事業を展開していく予定だ。

ぶどうのテーマパーク

希少な品種のぶどう狩りや、最新技術を取り入れた農業体験などが行えるぶどうのテーマパーク「パープルMぶどうランド」を整備していく。また、この取り組みを地域活性化につなげていくため、高槻市と連携協定を締結した。


シェアツリーを開始

個人や企業がぶどうの木をオーナーとして保有し、栽培や収穫を共有する「シェアツリー」を開始した。今後は、会員限定イベントや、参画する企業とのコラボ企画を行う予定だ。

シェアツリー第一号会員 有楽町かきだ

オンラインで参加できる農園


農業分野のAR/MRにおいて実績のある株式会社Rootと提携。オンライン配信やAR技術を活用し、世界中どこからでも農園の活動に参加できる環境を整備していく。

また、文化放送とノウタスの共同制作番組「おとなりの農家さん」を通じ、農園の状況やイベントなどの情報発信も行っていく。

文化放送とノウタスの共同制作番組「おとなりの農家さん」

ぶどうの新品種開発と研究

高槻農園では、世界展開を視野に入れたぶどうの新品種の研究開発が行われる。大学との連携やクラウドファンディングを通じて、新品種の開発と品種保存を推進するとしている。

北海道大学との品種改良のワークショップ

リモート体制の確立

オリジナル品種の海外生産に向け、ノウタス長野支社からのリモートでの技術指導体制を構築する。技術指導に活用するツールは、Root社のスマートグラスやAR(拡張現実)を予定。海外展開の拠点の検討にあたっては、JAXAベンチャー株式会社天地人の協力を得て、宇宙ビッグデータを積極的に活用していく予定だ。


先端技術の実用化と産学共同研究

先端技術やスマート農業の実用化を目指し、産学共同での研究も予定している。具体的には、植物工場でのぶどう栽培や、2023年より桐蔭横浜大学の宮坂特任教授と共同研究を行っているペロブスカイト太陽電池の農業分野での実用化、衛星通信による農園のブロードバンド化などを行っていくという。

衛星通信の実証実験


ノウタス株式会社
https://www.notas.co.jp
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便