「クックパッドマート」が卸売市場と連携強化、新鮮な直販食材がアプリ1つで

国内最大手・料理レシピサービスを提供するクックパッド株式会社は、生鮮食品EC「クックパッドマート」において卸売市場や直売所との連携を拡大。農産物や鮮魚などの直販を開始し、豊富な食材を顧客へ届けるためのサービスに磨きをかけている。


クックパッドマートは、さまざまな地域の生産者や街の販売店の参画により、新鮮な食材がリーズナブルな価格で顧客に届くことを軸としている。2019年では新たに「農産物直売所 調布のやさい畑」と「川崎市地方卸売市場南部市場(愛称:川崎幸市場)」からの直販を開始。生産者や、より生産者に近い販売店と連携することで、顧客ニーズの創出やサービスの価値向上に努めていく方針だ。

なお、「農産物直売所 調布のやさい畑」は2019年4月から、「川崎市地方卸売市場南部市場」は、5月上旬に販売を開始した。今後は販売店や生産者に加えて、地域の「直売所」や「卸売市場」とも順次連携を進めていく。

直売野菜や新鮮食材がアプリで注文・当日配達可能

クックパッドマートは、日ごとの料理に欠かせない「生鮮食品」に特化したECプラットフォームだ。地域の生産者や街の販売店が賛同することで、あらゆる食材が最短で注文当日に届けられる仕組みを展開している。これまで「直接買いに行く」か「お取り寄せ」するしか購入方法がなかった食材を、1品からでも送料無料で購入できる。

購入した商品は、出荷した当日に新鮮な状態のまま、地域に設置された生鮮宅配ボックス「マートステーション」へ配送される。購入者自身が選んだ「マートステーション」で商品を受け取れるため、買い物をする時間がない顧客層にとって心強い味方となりそうだ。

サービス拡充のため連携強化へ

クックパッドマートは、利用者の意見を取り入れながら販売店も増やす方針を固めている。サービス開始当初は肉、魚、野菜だけだった取扱食品も、食パン、果物、チーズ、豆腐など、続々と増やしてきた。


精肉店の肉、ベーカリーの食パン、豆腐店の豆腐、新鮮な野菜、おいしい食材を何店舗も買い回りすることなくアプリからすべて購入できる、そんな便利な買い物体験が現実味を帯びてきている。

なお、2019年4月22日時点での出店者リストは、以下の通り。

<野菜・果物>
濱の八百屋
農産物直売所 調布のやさい畑
自然食糧品店 グルッペ
株式会社NOUMANN(ノーマン)
やすだ農園
綾善
野菜仲卸 株式会社ウスイ
株式会社インターナショナルグリーンサービス
東京都中央卸売市場大田市場仲卸 株式会社やっちゃばくらじ

<精肉・ハム・ソーセージ>
鶏肉専門店 信濃屋
精肉柳屋
鶏肉専門店 梅や
株式会社鳥久
小川畜産 総本店
株式会社ナガイ商店
株式会社西山商店
自家製ハム&ソーセージ専門店 ミュンヘン
ケーニッヒ

<魚介>
まぐろ漁船 八幡丸直卸 ととぶつや
魚屋シュン
貝専門卸 魚壱
東京都中央卸売市場豊洲市場仲卸 かね七水産
横浜市中央卸売市場仲卸 株式会社ムラマツ
横浜市中央卸売市場仲卸 八丁兼商店
川崎市中央卸売市場北部市場仲卸 株式会社北部三栄
川崎市中央卸売市場北部市場仲卸 株式会社川崎丸福
川崎市中央卸売市場北部市場仲卸 合同会社泉力
川崎市地方卸売市場南部市場仲卸 複数社
共同水産株式会社

<豆腐>
豆腐類製造 卸 越路屋豆腐店

<鶏卵>
川崎北部市場鶏卵卸 天野一秀商店

<チーズ>
CHEESE STAND

<ベーカリー>
食パン専門店進藤製パン

クックパッドマートは前述の通り、生産者・販売者がネットで直接販売することを可能にした「生鮮食品専門」の販売・搬送プラットフォームだ。商品は鮮度や品質を保ったまま、出荷当日に顧客のもとへ届けられ、生産者は煩雑な梱包や発送の手間がなくなり、日々の業務に負担なく販路・認知を拡大することができる。

そこを起点としながら、直売所や卸売市場との連携を強化することにより、さらに豊富な選択肢の中から新鮮な食材が購入可能となる。クックパッドマートは今後も各地域の農産物直売所や卸売市場との連携を順次拡大し、さまざまな食材を取りそろえながら、より価値の高いニーズに踏み込む見通しだ。

<参考サイト>
クックパッド
クックパッドマート
クックパッド株式会社
クックパッドiOS版アプリ
クックパッドAndroid版アプリ
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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