農研機構、「AI病虫害画像診断」に対象作物を追加 WAGRI連携で利用可能に

農研機構は、農業データ基盤「WAGRI」を通じて提供する「AI病虫害画像診断システム」と「WAGRI病虫害小図鑑」の2つを組み合わせた「AI病虫害画像診断WAGRI-API3」を2022年4月28日に公開する。

モモ、ブドウ、ピーマン、大豆など12品目が対象作物に


「AI病虫害画像診断WAGRI-API3」は、人工知能を活用した病害虫害診断サービスへの参入を検討する民間事業者を対象に、農研機構らが開発した「AI病虫害画像診断システム」を提供して、農業現場での早期実装を促すデータ連携基盤。

対象作物は、現在無償公開中のトマト・キュウリ・イチゴ・ナスに加えて、モモ・ブドウ・ピーマン・大豆・ジャガイモ・カボチャ・キク・タマネギの8品目のAI判別器を追加。さらに、病害・虫害・防除に関する情報をまとめた「WAGRI病虫害小図鑑」も利用できる。

研究では、今回追加した8品目を対象に画像識別精度の検証方法のひとつである10分割交差検証法を実施したところ、90%の精度を超えるAIモデルを開発することに成功したという。

追加したAIモデルの仕様概要
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/rcait/152081.html

サービスイメージのために開発したデモアプリの判定画面
出典:https://www.naro.go.jp/publicity_report/press/laboratory/rcait/152081.html

利用対象はWAGRI会員で、利用開始から1年間は無料で利用できるが1年毎ごとに更新料が発生する。

農研機構は、今回公開した12品目に加えてニーズの高い品目の病虫害を対象とする判別器の開発を進めていく考えだ。


農業データ基盤「WAGRI」
https://wagri.net/ja-jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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