伊藤園と富士通、茶葉の収穫時期をAIで判断する技術を開発

緑茶飲料大手の株式会社伊藤園は、富士通株式会社と株式会社富士通鹿児島インフォネット共同で、AIを活用して茶葉の摘採時期を判断する技術を開発した。


日本の茶葉生産者は、高品質な茶葉を生産するため、日々の生育状況を確認して収穫時期を判断しているが、摘採に最適な時期を正確に見極めるためには、開葉期の経過や品質と収量の関係など、摘採の適否を決定する知識と経験が必要だという。

2022年に試験運用をスタート


3社が開発した技術は、スマートフォンで撮影した摘採前の茶葉の画像を解析して、摘採時期の判断指標となるアミノ酸量や繊維量を推定するもの。

研究では、伊藤園が保有する茶栽培に関する知見、富士通が保有するAI技術、富士通鹿児島インフォネットが保有する画像解析技術の3つを組み合わせた画像認識アルゴリズムを開発。

今後は、撮影対象地域の拡大など、開発した画像認識アルゴリズムの正確性や実用性を検証するための試験運用を開始する予定で、2023年には契約産地での本格展開を実現したいとのこと。

3社は、今回開発した茶葉の摘採時期を判断する技術の提供を通じ、生産者の高齢化や後継者不足等の人的課題を抱える日本の茶葉生産を支援したい考えだ。


株式会社伊藤園
https://www.itoen.co.jp/
富士通株式会社
https://www.fujitsu.com/jp/
株式会社富士通鹿児島インフォネット
https://www.fujitsu.com/jp/group/kfn/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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