スマート農業を活用して都市部のビルで野菜づくり 「アーバンファーミング」が恵比寿に登場

プランティオ株式会社は、株式会社ジェネシア・ベンチャーズ、東急不動産株式会社が運営する「SHIBUYA Innovation Program」、キャナルベンチャーズ株式会社、JA三井リース株式会社から、約1億5000万円の資金調達を実施した。

プランティオが目指す「アーバンファーミング」とは?

今回の資金調達はニューヨークやロンドンでは、すでにスタンダードになっている都市部の農業体験のひとつ「アーバンファーミング」をさらに進化させた、新しい都市型農業体験の実現を目指したもので、農と食の体験を通じた都心部でのコミュニティの創出を狙いとしている。

アーバンファーミングとは、都市部のビルの屋上や屋内で行われる「都市型農業」のこと。
アメリカ、ニューヨークなどの都市では「自分たちで作って、それを食べることが格好いい」というスタイルを追求したカルチャー的要素も含んだ活動を指す。


例えば、日本の地方自治体や市町村が、居住者や新規移住者などに農園を貸し出す「市民農園」なども、アーバンファーミングに当てはまる。

アナログだったアーバンファーミングをIT化する


プランティオは、AIのナビゲートを使用したIoTプランター「PLANTIO HOME」と、IoTプランター向け植物栽培特化型AI「Crowd Farming System」を活用したシェア型コミュニティファーム(IoTファーム)の開発に成功した。

センサーや通信モジュールを搭載した野菜栽培用IoTプランターと専用アプリを用いることで、SNSのようなコミュニティやエンターテインメント要素もプラスした、新しい農業体験の実現を目指している。

IoTファームでは、オフィスワーカー同士がファームフレンドとなり、AIによる収穫期予想を活用した収穫祭イベントを近隣の飲食店と開催するなど予定しており、都市部での農と食の体験を通じた新たなコミュニケーションを目指している。

今回の調達にあたり、同社代表取締役 共同創業者 CEO芹澤 孝悦氏は
祖父の芹澤次郎は1949年に東京・渋谷でプランターを発明しましたが、その発明の本質はすごいプランターを作った事ではなく、“だれでもどこでもアグリカルチャーに触れる機会を創出した事”だと捉えています。ですので現代のわたしたちも“みんなでたのしく野菜を育てる”というビジョンを真剣に考えた時、なにもその手段はIoTプランターだけではなく、そのIoTプランター向けに開発していたコアAIを従来の畑にインストールすることで、もっともっとたのしく野菜を育てられるカルチャーが創れると考えました。わたしたちはIoTとAI、そしてエンターテインメントのパワーを使い、アグリカルチャーをアップデートして参ります。
と語った。

プランティオ株式会社 代表取締役 共同創業者 CEO芹澤 孝悦氏

世界初の「シェア型コミュニティファーム」が恵比寿に(プロトタイプ)

このIoTファームのプロトタイプとして、恵比寿にあるオフィスビル「恵比寿プライムスクエアタワー」にて「SUSTINA PARK EBISU PRIME(サスティナ・パーク・エビス・プライム)」が2019年6月28日にオープンした。

ユーザーは、テスト運用中の専用アプリをダウンロードし、そのファームに入るためのスマートロックのキーをアプリから取得することでファームに入ることができ、セルフで種蒔きから収穫までを行えるライトな農業体験が可能だ。

■『SUSTINA PARK EBISU PRIME』詳細情報
http://media.plantio.com/urbanfarming
≪期間≫
2019年6月28日(金)~
≪主な特徴≫
・アプリを通じたコミュニケーションと栽培ナビゲーション
・近隣の飲食店/近隣でのワークショップとの連携
・ファームの上でのFarm to Tableイベントの定期開催
・ファーム全体を通じ持続可能な設計を意識したパーマカルチャーデザイン
・世界初のリサイクル可能な屋上菜園用軽量培土リターナブルソイルを使用
・ブックライブラリ/シェアシードを設置


ファームではユーザーがセルフで種を蒔きセルフで収穫、アプリによるナビゲート。ふと立ち寄ったり、ランチを食べたり、仕事をしたり、くつろいだり楽しみ方は自由。


ファームには畑仕事のツールが完備。アプリでパークインし、ナビゲーションに従えばいい。


収穫期を予測するAIをはじめ、ファームにはコミュニティ機能を搭載。ファームで採れた野菜を持ち寄れる近隣の飲食店やワークショップもリコメンドする。

食と農のライフスタイルメディアPLANTIO~Social grow your own』同時オープン
http://media.plantio.com/

協力する4社について


【東急不動産】
都市型農園事業の展開にあたり同社が運営する商業施設やオフィスビルなどの屋上や遊休施設でのIoTファームの展開、マンションへのIoTプランターへの展開など。
以下コメント。
東急不動産ホールディングスグループでは、ハコやモノの枠を超えてライフスタイルを創造・提案し、お客さまに新たな価値を創造し続ける企業グループを目指しております。プランティオとは、施設遊休地の農園化等を通じ、お客様の働き方・住まい方・過ごし方において、新たな価値提供を共同で展開できることを期待しております。


【キャナルベンチャーズ】
キャナルベンチャーズが進めるデジタルトランスフォーメーション、スマートシティ構想への参画。
以下コメント。(同社CSO 浜田 大輔氏)
「みんなで野菜を育てる世界」が身近になると、今までとは異なる「育てる」「食べる」楽しさを知り、新たな価値観が豊かな生活のスパイスになります。「デジタル」前提時代に、身近なテクノロジー、働き方、生き方が変わる中で生活者に対し新たな食と農の体験をご提案します。


【株式会社ジェネシア・ベンチャーズ 】
以下コメント。(代表取締役/General Partner 田島 聡一氏)
マクロファーミングから、都市に緑(農地)が溶け込むマイクロファーミングへ。この新しい農業の形は、アメリカやイギリスでは既に定着しつつある農業のあり方です。みなさんの目に映る景色に緑が増えれば素敵だと思いませんか?プランティオは、IoTとテクノロジーを活用して、持続的且つ豊かな人間と植物の新しい共生の形を日本から世界に発信していきます。


【キャナルベンチャーズ株式会社】
以下コメント。(Investment Manager 水谷 航己氏)
自分で育てた野菜や果物は、収穫までの過程にあるストーリーが抜群の調味料になって、不思議なことに見た目が少し悪くてもとても美味しく感じます。プランティオは「育てる楽しさ」と「食べる美味しさ」の体験を都心部に取り戻し、分断された消費者と生産者の関係性もアップデートしていくものと確信しています。


【JA三井リース】
同社のファイナンス機能、食農分野におけるノウハウの提供を通じて、プランティオの事業展開を加速。
以下コメント。
JA三井リースは、中期経営計画「Real Change 2020」にて、独自性が発揮できる食農分野を戦略分野として位置付けており、都市農業においては体験型農園の普及を後押しするサービス「体験型農園オープニングサポート」を展開しております。プランティオが提供するアーバンファーミングは、これまでの都市農業とは違う切り口のICTを活用した新たな取組みであり、大変魅力的な事業と感じております。

<参考URL>
プランティオ株式会社
東急不動産株式会社
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
キャナルベンチャーズ株式会社
JA三井リース株式会社

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WRITER LIST

  1. 蒼井ネコ
    農学系の兼業ライター。某大学農学部、某農業レストラン、某飲料会社商品企画を経て、現在は某マルシェアプリでwebマガジン編集として働きながら、猫様のお世話をしている。
  2. 大坪雅喜
    おおつぼまさのぶ。1973年長崎県佐世保市生まれ。FARM DOI 21代表(農業者)・アグリアーティスト。 早稲田大学第一文学部史学科考古学専修卒業。学生時代に考古学、水中写真、自然農という世界を覗き込む。2006年9月、義父が営む農業の後継者として福岡県大川の地で就農。農業に誇りを持ち、未来には普通となるような農業の仕組みやサービス(カタチ)を創造していくイノベーションを巻き起こしたいと考える。縁のある大切な人たち(家族)と過ごす物心ともに満たされた暮らしの実現こそが農業経営の最終的な目的。現在、佐賀大学大学院 農学研究科 特別の課程 農業版MOT 在籍中。
  3. 柴田真希
    管理栄養士。㈱エミッシュ代表取締役。Love Table Labo.代表。27年間悩み続けた便秘を3日で治した雑穀や米食の素晴らしさを広めるべく、雑穀のブランド「美穀小町」を立ち上げる。現在はお料理コーナーの番組出演をはじめ、各種出版・WEB媒体にレシピ・コラムを掲載する他、食品メー カーや飲食店のメニュー開発やプロデュースなどを手がける。『私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました。』(世界文化社)、『はじめての酵素玄米』(キラジェンヌ)など著書多数。
  4. 大城実結
    おおしろ みゆう。フリーランス編集ライター、大城文筆事務所所長。一次産業ほか地域文化、アウトドアなどお天道様系分野を専門に編集・執筆している。自転車で鍛えた脚力を活かし、農家さんのお手伝いをしながらインタビュー取材を積極的に行う。玉掛け免許と床上式操作クレーン免許所持。
  5. 井中優治
    いちゅうゆうじ。株式会社収穫祭ベジプロモーター。福岡県農業大学校卒。オランダで1年農業研修。元広告代理店勤務を経て、新規就農6年目。令和元年5月7日に株式会社収穫祭を創業。主に農業現場の声や九州のイベント情報などを発信している。