金沢工業大学、ワサビのコンテナ型水耕栽培 実証実験を開始
金沢工業大学は、災害に強いコンテナ型水耕栽培方式を採用した中規模ワサビ工場の実証実験を行っていると発表した。物流の資機材販売などを手がけるNX商事株式会社との共同研究によるもので、2023年10月より実証実験設備を稼働している。
日本固有種であるワサビは、世界的な和食ブームの到来と医療への用途転用等により注目を浴びているという。これまでにも植物工場における水耕栽培は試みられてきたが、生育環境条件が一般の葉菜・根菜類に比べて厳しく、かつ栽培期間も長いため、採算性が悪く、一般的に普及が困難とされてきた。
そこで金沢工業大学は、IoTセンサーを使って実現した最適な栽培環境と、葉面から誘発する極微弱な生体電位(葉面電位)を常時計測する独自技術を加えることで、生育速度の促進を可能にした。
水耕栽培システムについては、金沢工業大学とサカ・テクノサイエンス株式会社が共同で先行開発した水耕栽培管理システム「Seeds-N」を基本に、ワサビ栽培に特化した栽培システムを開発し、採用したという。
「SPA」とは植物体の草丈や葉面積、葉緑素、着果数などを常時計測して生育状況を判断しつつ、光・温度・湿度・CO2・土壌・水耕の水分・養液などの至適栽培環境を制御することによって生育促進を図る技術である。
平間研究室では、葉面から誘発する極微弱な葉面電位を生育期間中に常時計測する独自の技術を開発し、至適栽培環境に加えて「ワサビの健康診断」を併用することで生育促進効果の向上を行ってきた。
葉面電位は、人間に例えるならば、「脳波」「心電図」の様に生体から誘発する微弱な生体電位に相当するもの。葉面電位変動特性から健康診断も同時進行させることで、ワサビの異常を検知した際に生育環境制御パラメータを一時的に変更させ、生育状態の経過観察に基づき健康状態に戻すことが可能となるという。
平間研究室では、これまでキャンパス内に設置された小規模ワサビ工場で実証実験を行なっており、在来種のワサビの芋(ワサビ可食部分)では、ワサビ田での露地栽培に比べて約3~4倍の生育速度促進を実現した。
金沢工業大学は、テクノロジーを使って「ワサビの声」を聞きながら、最適な環境をコンテナ内で実現させることで、季節や生産地にとらわれずに、安定した品質でワサビを栽培する技術の確立を目指すとしている。
金沢工業大学
https://www.kanazawa-it.ac.jp/index.html
NX商事
https://www.nx-shoji.com
露地栽培に比べ約3~4倍の生育速度に
日本固有種であるワサビは、世界的な和食ブームの到来と医療への用途転用等により注目を浴びているという。これまでにも植物工場における水耕栽培は試みられてきたが、生育環境条件が一般の葉菜・根菜類に比べて厳しく、かつ栽培期間も長いため、採算性が悪く、一般的に普及が困難とされてきた。
そこで金沢工業大学は、IoTセンサーを使って実現した最適な栽培環境と、葉面から誘発する極微弱な生体電位(葉面電位)を常時計測する独自技術を加えることで、生育速度の促進を可能にした。
今回の実証実験で使用されているコンテナ型中規模ワサビ工場は、工学部電気電子工学科 平間淳司研究室(専門:生体情報工学、電子回路工学)が有する「Speaking Plant Approach(以下、SPA)」という技術によるワサビの水耕栽培の研究開発成果と、コンテナ植物工場製造に知見と実績のあるNX商事の特殊コンテナ製造技術を融合させたもの。
水耕栽培システムについては、金沢工業大学とサカ・テクノサイエンス株式会社が共同で先行開発した水耕栽培管理システム「Seeds-N」を基本に、ワサビ栽培に特化した栽培システムを開発し、採用したという。
「SPA」とは植物体の草丈や葉面積、葉緑素、着果数などを常時計測して生育状況を判断しつつ、光・温度・湿度・CO2・土壌・水耕の水分・養液などの至適栽培環境を制御することによって生育促進を図る技術である。
平間研究室では、葉面から誘発する極微弱な葉面電位を生育期間中に常時計測する独自の技術を開発し、至適栽培環境に加えて「ワサビの健康診断」を併用することで生育促進効果の向上を行ってきた。
葉面電位は、人間に例えるならば、「脳波」「心電図」の様に生体から誘発する微弱な生体電位に相当するもの。葉面電位変動特性から健康診断も同時進行させることで、ワサビの異常を検知した際に生育環境制御パラメータを一時的に変更させ、生育状態の経過観察に基づき健康状態に戻すことが可能となるという。
平間研究室では、これまでキャンパス内に設置された小規模ワサビ工場で実証実験を行なっており、在来種のワサビの芋(ワサビ可食部分)では、ワサビ田での露地栽培に比べて約3~4倍の生育速度促進を実現した。
金沢工業大学は、テクノロジーを使って「ワサビの声」を聞きながら、最適な環境をコンテナ内で実現させることで、季節や生産地にとらわれずに、安定した品質でワサビを栽培する技術の確立を目指すとしている。
金沢工業大学
https://www.kanazawa-it.ac.jp/index.html
NX商事
https://www.nx-shoji.com
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