ほくつうとIIJ、水稲栽培の水管理システムで連携開始

株式会社ほくつうと株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、IIJのスマート農業システム「IIJ水管理プラットフォーム for 水田」と、ほくつうの水田水管理省力化システム「水(み)まわりくん」をシステム連携させ、両システムの販売拡大に向けて相互協力することで合意した。

今回のシステム連携により、水位・水温計測、データ分析、給水制御までの水管理作業が自動化・効率化され、農作業の負担軽減と栽培管理の品質向上が可能になるという。


水管理プロセスの効率化と栽培管理の品質向上へ


ほくつうは、日常生活におけるさまざまな電気通信設備の企画・設計・施工・メンテナンスを行う企業。農業分野においては、水田水管理省力化システム「水まわりくん」の提供を行っている。

「水まわりくん」は、スマートフォンなどから遠隔で給水装置を操作でき、給水時間や給水量の管理が行える農業用の自動給水機。多様な給水環境に対応しており、簡単な工事で設置することが可能だ。

IIJは、インターネット接続サービスやネットワーク関連サービスの提供などを手がける企業で、水田の水管理を効率化する「IIJ水管理プラットフォーム for 水田」の提供も行っている。

「IIJ水管理プラットフォーム for 水田」は、IoTセンサーを活用して水田の水位と水温を測定するシステムだ。水田センサー「MITSUHA」が取得したデータを、LoRaWAN®を使った無線通信でクラウドに送信して蓄積し、スマートフォンなどで確認できる。

今回のシステム連携は、千葉県白井市の圃場で水稲栽培のスマート農業の実証実験を共同で行い、実際の水田水管理プロセスにおける両社製品の動作検証を経て実現した。

システム連携によって、容易に両社のシステムを導入することが可能となり、すでにどちらかのシステムを利用している生産者がもう一方のシステムを組み合わせることで、ICTによる水管理の範囲を手軽に拡張できる。

システム連携のイメージ

今後両社は、IIJが提供している気象データや農作物の発育指数(DVI)、WAGRIなどのデータを活用する機能拡張を視野に、より高品質な栽培管理が行えるよう技術開発を進めていくとしている。


株式会社ほくつう
https://www.hokutsu.co.jp/
株式会社インターネットイニシアティブ
https://www.iij.ad.jp/
水まわりくん
https://www.hokutsu.co.jp/agri/spec/index.html
IIJ水管理プラットフォーム for 水田
https://www.iij.ad.jp/biz/iot-agri-paddy/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
パックごはん定期便