静岡大学と大和コンピューター、メロンの網目の外観検査を行う等級判定AIを開発

国立大学法人静岡大学と株式会社大和コンピューターは共同で、温室メロンの網目の品質を認識するAIを開発した。

一貫性を持った等級判定が可能に


日本の温室メロンは、果実の形状や網目の色合い、均一性など外観の品質を見分けることができる熟練生産者による等級判定を基本としているが、生産者ごとに判断基準が異なるため、等級判定の一貫性が保てないという課題を抱えていた。

メロンの等級判定の例

両者が行った研究では、一般的なRGBカメラで撮影したメロン表皮の全周映像データを統合し、AI学習用の画像を作成。

AI学習用のメロン全周画像

その後、等級判定に寄与した部位を表現するアクティベーションマップと深層距離学習を用いて網目の品質を定量化したところ、熟練生産者の等級判定を約82%の精度で再現するAIモデルが生成できたほか、表皮の不良部位を可視化する技術やAI等級判定の度合いをレーダーチャートで表現する技術の開発に成功したという。

表皮の不良部位を可視化

AI等級判定の度合いをレーダーチャートで表現

両者は、今回開発したAIを通じ、日本の温室メロン生産現場の等級判定と出荷作業の効率化を推進していく構えだ。


国立大学法人静岡大学
https://www.shizuoka.ac.jp/
株式会社大和コンピューター
https://www.daiwa-computer.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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