農業IoTで水田の水位を監視「おたりスマートソンプロジェクト」が発足

長野県小谷村(村長:中村 義明)と、KCCSモバイルエンジニアリング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:金 炯培)、東京電機大学(本部:東京都足立区)が、地域の課題解決にIoTを活用する「おたりスマートソンプロジェクト」の発足を発表した。

小谷村の地域課題をIoT技術(水田の水位監視を省力化する為の安価なIoTシステム)を用いて、高齢化や人手不足に悩む農家の負担軽減を目指す。

「おたりスマートソンプロジェクト」とは

同プロジェクトは、水田水位監視システム「CMS(Comfort Management System) for Paddy」を用いた実証実験で、農家の負担軽減を目的としている。
成功すれば、小規模農家でも水位システムが簡単に導入することができるようになるため、省力化による耕作放棄地の減少にもつながり、村内では現在、約10台の実験機が稼働中だ。

プロジェクト発足時のメンバー(KCMEとTDU 知的空間研究室)

プロジェクト発足の経緯

小谷村とKCCSモバイルエンジニアリング株式会社は、2019年3月に地域の諸課題に対応し、地域社会の活性化を図ることを目的とする包括連携協定を締結。

東京電機大学では情報環境学部の学生が、2018年12月に開催された京セラコミュニケーションシステム株式会社主催「Sigfoxで生活を楽しくする『IoTアイデアコンテスト』」に「格安スマート水田でIoT導入を手軽に実現」をエントリー、プロトタイプ部門で優秀賞を受賞した。

「おたりスマートソンプロジェクト」では、この3者が地域課題解決のために各々の立場で参画している。
村内に整備されているSigfoxネットワークを活用して、KCCSモバイルエンジニアリングと東京電機大学が共同研究で開発した「CMS for Paddy」による実証実験を開始。
小谷村初となる、新しい通信技術を活用した学生アイデアの社会実装プロジェクトがスタートした。


同プロジェクトでは引き続き産官学連携でSigfoxを活用し、小谷村の地域課題解決を推進していく考えだ。

<参考リンク>
長野県小谷村
KCCSモバイルエンジニアリング株式会社
東京電機大学
京セラコミュニケーションシステム株式会社
Sigfoxで生活を楽しくする「IoTアイデアコンテスト」
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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