「KSAS」と「xarvio® FIELD MANAGER」のシステム連携に向け、田植機による可変施肥の実証試験がスタート

JA全農、株式会社クボタ、BASFデジタルファーミング社およびBASFジャパン株式会社の4者は共同で、「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」と「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ® フィールドマネージャー)」を連携した田植機による可変施肥の実証試験を開始した。


可変施肥マップのデータを田植機に移行


「KSAS」は、クボタが提供する営農支援システム。パソコンやスマートフォン等を使用して、圃場情報や作業履歴、収穫実績、農機の稼働情報を管理・閲覧できるのが特長で、トラクターや田植機、コンバインなど同社が製造するさまざまな製品と連携する。

「xarvio® FIELD MANAGER」は、JA全農とBASFが国内において開発・推進する栽培管理支援システム。人工衛星で取得したセンシング画像を基に、農作物の生育状況を見える化するのが特長で、圃場内の施肥量をコントロールする「可変施肥マップ」を作成することもできる。

今回の実証試験では、「xarvio® FIELD MANAGER」で作成した「可変施肥マップ」のデータを「KSAS」経由でクボタの田植機に移行し、施肥作業を行う。

施肥量の最適化による生産コストの低減等を目標に、ユーザーによる機能性や操作性の評価などを行っていく。


「xarvio® FIELD MANAGER」で作成した可変施肥マップデータ(左)を「KSAS」に取り込んだイメージ(右)

なお、連携機能の正式リリースは2024年春頃の予定で、田植機以外の製品への展開も検討しているとのこと。


KSAS
https://agriculture.kubota.co.jp/ksas/
xarvio® FIELD MANAGER
https://www.xarvio-japan.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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