横浜市、見回り軽減のためのVR・IoT・ロボットを活用したスマート農業の実証実験をスタート

横浜市は、「VR×IoT×AMRの未来農園」、「IoTによる鳥獣被害対策、不法投棄・盗難対策通知」の2つの実証実験を都筑区・栄区の農地で開始した。


農地の見回り負担軽減を目指す


今回の実証実験は、横浜市が市内の農地を実証フィールドに、都市農業における農作業の省力化、農作物の栽培支援、営農環境の改善等をもたらす製品・サービスの創出を目指す「I・TOP横浜ラボ」の「都市部でのスマート農業」の採択を受け実施しているもの。

実験では、自動走行ロボットとVRを用いた未来農園とシステムを設置した「わな」による鳥獣捕獲状況の遠隔監視を行っている。

詳細は以下の通り。

1.VR×IoT×AMRの未来農園
実施企業名
・青葉電子株式会社、他1社(2社合同)
実施概要
・不整地走行が可能なAMR(自立走行搬送ロボット)や分光カメラを用いた写真画像、VR(仮想現実)を組み合わせることで、遠隔からの監視や果実の糖度測定、害獣検知と撃退を実現し、農地の見回り負担軽減を目指す。
実施時期
・2023年8月1日~2023年8月31日
実施場所
・JA横浜 池辺ほ場(横浜市都筑区)


2.IoTによる鳥獣被害対策、不法投棄・盗難対策通知
実施企業名
・マクセルフロンティア株式会社
実施概要
・害獣捕獲監視システム「マタギっ娘 LTE-M版」を用いて、農業従事者が設置した「わな」の捕獲状況および農作物盗難の遠隔監視をマグネットセンサの作動によって行うことで、見回り負担の軽減を目指す。
実施時期
・2023年8月1日~2023年12月20日
実施場所
・個人農地(横浜市栄区)


なお、その他の採択案件については、実施に向けた調整と準備が整い次第、実証実験を開始する予定とのこと。


I・TOP横浜ラボ
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/keizai/2023/itoplab6_jissyo1.html
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WRITER LIST

  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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