Green Carbon、第2期「稲作コンソーシアム」先行会員の募集を開始

Green Carbon株式会社は、第2期稲作コンソーシアムの先行会員の募集を開始した。締め切りは、2023年12月末までとなっている。


Green Carbonは、カーボンクレジットの創出(J-クレジット/ボランタリークレジット)・登録・販売までを一気通貫でサポートする企業である。

その中でもメインで進めている、水田のメタンガス削減によるカーボンクレジット創出プロジェクトでは、日本初となるJ-クレジットの認証を取得。現在は、約5000ヘクタールの水田農家を対象に、約1万5000トンのカーボンクレジット創出を予定しているという。

また、最近では東南アジアやオーストラリア、コスタリカなど海外でも事業を展開しており、水田のメタンガスを削減するプロジェクトの実証や農地のACCUs(Australian Carbon Credit Units)登録に向けたプロジェクトなどを進めている。

J-クレジットの申請・登録を支援


日本では2023年3月1日に「水稲栽培における中干し期間の延長」がJ-クレジットの方法論に承認され、稲作由来の温室効果ガス削減分を国が認める「クレジット」として発行・流通できるようになった。しかし、小規模農家個人がJ-クレジットにプロジェクト登録する際に数百万円の費用が必要になる、登録・申請までの申請書作成や手続きに手間がかかる、などの課題を抱えている。

これらを背景に、Green Carbonが日本国内の水田由来のJ-クレジット創出を目的に、 参加者を募り、まとめて申請・登録する「稲作コンソーシアム」を発足させた。

稲作コンソーシアム参画のメリットとしては、水田と管理者の基礎情報を提供するとコンソーシアムが手続きを代理で行う、コンソーシアムで登録することで費用支援が受けられるため、登録費用が無料になる、Jクレジットの売買益を副収入として獲得できる、環境に配慮した米であることを証明するロゴが付与されるためブランド米として販売できるようになる、農業データのDX化や衛星データを活用し、モニタリングの簡易化を目指せる、など。

第1期(2023年5月~8月末)の募集では、東北・北陸地域を中心に、計約5000ヘクタールの水田農家、71の法人が参画。合計数千万円分のクレジット創出が見込まれている。

さらに、中干し延長の実施による収量への影響測定や、実施地域によるメタンガス削減量の差異などについてデータを採取することにも成功したほか、クレジットの創出から販売まで一気通貫で支援するサービス「Agreen(アグリーン)」も開始し、対象農地のクレジット創出量や収益のシミュレーションも行えるようになったという。

今回の募集で会員になった農家には、中干し延長の効果や取り組みの事例、施用タイミング、農家の声など第1期で得た知見を勉強会やセミナー形式で優先的に紹介するとしている。

なお、今後は中干し延長の実施地域で収穫した「環境配慮米」の試食会イベントや、ECサイトを活用した販売なども行っていく予定とのこと。

また同社は、カーボンクレジットの方法論のひとつである「バイオ炭の農地施用」に関するプロジェクトも開始している。多種多様なミネラルを含んだバイオ炭を活用することで、植物を強く丈夫に育てることが可能になるため、肥料削減につながる。

今回、新潟県内の米農家の協力の下、稲作から出る籾殻を活用したバイオ炭製造とカーボンクレジット創出を目指して実験を開始。新潟県内の農家からは、「今回のような取り組みが加速化し、カーボンクレジット創出や環境配慮を意識した農家が増えることを期待している」とのコメントが寄せられている。

Green Carbon株式会社
http://green-carbon.co.jp/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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