栽培管理支援システム「xarvio® FIELD MANAGER」、CNHのプラットフォームと連携を開始

ドイツの総合科学メーカーBASFの子会社であるBASFデジタルファーミング社(以下、BASF)と農業機器を手がけるCNH Industrial社(以下、CNH)が運用プラットフォームの連携を発表した。

BASFが提供する「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ® フィールドマネージャー)」と、CNHが提供するプラットフォームが連携することで、CNHブランドの農機で高度な栽培管理システム機能をシームレスに使用できるようになる。


農業者のデジタル技術活用を推進


BASFが提供する「xarvio® FIELD MANAGER」は、衛星画像とAIを活用した栽培管理支援システム。衛星画像データに基づいた圃場地力を可視化し、生育状況や生育のバラツキをリアルタイムで確認できる生育マップを提供している。

これをもとに自動で可変施肥マップを作成することができ、農機連携機能により農業機械に読み込ませることで、カスタマイズされた正確な施肥が可能になる。また、病害リスクや雑草防除に対するアラート機能もあり、正確でタイムリーなアドバイスを提供する。

CNH Industrial社は、英国に本拠を置く農業機械および建設機械メーカー。デジタル農業を実現するソリューションの開発や、衛星ベースの高精度測位・方位テクノロジーの設計・製造などを行っている。

今回の統合により、CNHの農業機械ブランドである「Case IH(AFS Connectプラットフォーム経由)」および「ニューホランド(MyPLM Connectプラットフォーム経由)」のユーザーは、xarvio® FIELD MANAGERへ簡単にフィールドデータをエクスポートでき、高度な栽培管理システムの機能をシームレスに使用できるようになった。

xarvio® FIELD MANAGERの可変散布マップによって、適切な播種、農薬散布、施肥をCNHブランドの農機で行うことが可能になる。

BASFデジタルファーミング社 コンスタンティン・クレチュン氏のコメント
精密農業のテクノロジー間で接続性が向上し、データが共有できるようになります。そのため、農業者に対してさらに多くの選択肢が提供され、作物の生産性が確実に向上します。xarvio® FIELD MANAGERとCNHの運用プラットフォームの連携によって、農業者は生育過程のあらゆる作業をサポートする機能を備えた、総合的な作物栽培最適化プラットフォームに直接アクセスできるようになりました。」
CNH プレシジョンテクノロジーパートナーマネージャー Dan Danford(ダン・ダンフォード)氏のコメント
「私たちは、お客様が単独で農業を行っているのではなく、xarvio®のような信頼できるパートナーを頼りにしていることを、十分に理解しています。そのため、お客様の農機から直接、xarvio® FIELD MANAGERのようなお客様が希望するサービスに対して情報を送ることができることを優先しました。」

両社は、今回の統合を通じて、農業者がより簡単にデジタルおよび精密農業テクノロジーを利用できるようにしていきたいとしている。


xarvio® FIELD MANAGER
https://www.xarvio-japan.jp/
BASFデジタルファーミング
https://crop-protection.basf.co.jp/xarvio-Digital-Farming-Solutions
CNH Industrial
https://www.cnh.com/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便