ヤンマー、多様な作物を効率よく収穫できるコンバイン「YH1170」発売

ヤンマーアグリ株式会社は、多様な作物を高精度・高能率に収穫でき、直進アシストを搭載したコンバインを5月に発売すると発表した。なお、通常版のコンバイン「YH1170」は、2024年4月1日(月)に発売される。


米、麦、大豆、とうもろこし等の作物を高精度・高能率に収穫可能


農林水産省は、2025年食料自給率45%の達成に向け、飼料用米、麦、大豆、子実用とうもろこしの生産を振興しており、それらが助成の対象となることから、作付面積の拡大が予想されている。

ヤンマーアグリは、これらの作物を高精度・高能率に収穫可能な普通型コンバイン「YH1170」のほか、直進アシストを搭載したモデルを発売する。

商品の詳細は以下の通りだ。

1.直進アシストで刈取作業を省力化(直進アシスト仕様のみ)

衛星から位置情報を取得する自動操舵システムを採用し、基準線を登録するだけで、「基準線に平行な自動直進」と「基準線に対して90度の経路での自動直進」が可能。神経を使うハンドル操作は不要で、作物に合わせた細かな調整に集中することができる。

直進アシスト機能を使った作業イメージ
直進アシスト機能を使った作業イメージ

2.各種ヘッダーによる高精度・高能率に収穫を実現

作業環境やほ場規模などに合わせ、2.1m、2.6m、3.2mの3種類のリールヘッダーから選択が可能。3.2mのスーパーワイドヘッダーなら高能率作業が可能で、北海道の条間33cmで10条の稲でも刈り残し無く作業が行える。

また、豊富なアタッチメントや作物別専用ヘッダーをオプションにて用意し、幅広い作物や作業体系に合わせて高精度・高能率に収穫作業が行える。

リールヘッダーによる稲収穫作業

コーンヘッダー装着による子実用とうもろこし収穫作業

子実用とうもろこし用ロークロップヘッダー

小豆用ダイレクトピックアップ

3.丸ハンドルと電子制御FDSで乗用車感覚の走行を実現

ヤンマー独自の電子制御によるハンドル操作で、大回りの旋回からその場での旋回まで自在に操作できる。

さらに、オールマイティシフトレバーにノークラッチ副変速ボタンを追加したことで、停止しなくてもボタン1つですばやく高速に変速でき、排出までの移動時間を短縮可能。

丸ハンドル
オールマイティシフトレバー

直進走行と3つの旋回イメージ

4.高速作業でも丁寧に脱こく、ロスなく選別


脱こく時はスクリューこぎ歯で作物を傷めずに搬送する。ロ―ター回転変速レバーは3段の設定(稲・麦用/子実コーン用/大豆用)が可能で、機体後方のレバーで作物に合った回転速度に変更することが可能。

選別時は、2つのチャフシーブと理想的な風の流れでロスが少ない選別が行える。排わら量を検出し、チャフシーブの角度とファン風力を自動で調整。さらに、運転席に座りながら手動でのダイヤル調整も可能になり、状況に合わせて最適な選別が行える。

脱こく部

ローター回転変速レバー

選別時風路イメージ
風量・選別調整ダイヤル化

ヤンマーアグリは、今後もICT技術を活用して生産者のニーズに応えるとともに、持続可能な農業の発展に貢献していきたいとしている。


ヤンマーホールディングス株式会社
https://www.yanmar.com/jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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