クボタの「KSASシンプルコネクト」にIoTネットワーク「Sigfox」が採用、農機に後付けでKSASの利用が可能に

京セラコミュニケーションシステム株式会社は、株式会社クボタが提供するサービス「KSASシンプルコネクト」に、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長とするグローバルIoTネットワーク「Sigfox」が採用されたことを発表した。

「KSASシンプルコネクト」は、営農支援システム「KSAS」に非対応の農機を連携できるサービスだ。

農機にSigfoxデバイスを後付け装着したイメージ

KSAS対応機と非対応農機の一元管理が可能に


京セラコミュニケーションシステムは、ICT、通信エンジニアリング、環境・エネルギーエンジニアリング、経営コンサルティングの4つの事業を展開している企業。同社が提供する「Sigfox」は、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長とするグローバルIoTネットワークで、日本国内においては、京セラコミュニケーションシステムが唯一のSigfoxオペレータとして、インフラ構築およびネットワークサービスの提供を行っている。

クボタが提供する「KSAS」は、電子地図を用いた圃場管理や作業の記録、進捗状況などを見える化し、生産者の管理業務の負荷を軽減することができる営農支援システム。通信機器搭載のクボタ製の農業機械と連携することで、作業記録の自動化などが可能になり、より便利に利用することができる。

KSASシンプルコネクト概要図
クボタでは、さらなるサービス向上のため、KSAS非対応の農機に位置情報を把握できる通信デバイスを後付けすることで、KSASとの連携や農機の一元管理を実現できないかと考え、複数の通信方式およびデバイスを用いて実証実験を行ってきた。

その結果、以下の3点が評価され、京セラコミュニケーションシステムが提供するSigfoxネットワークおよびデバイスが採用された。

(1)充実したデバイスラインナップ
ラインナップからクボタが実現したいサービスに合ったデバイスを選択できたため、開発コストや期間をかけず、迅速に実証試験を実施できた。

(2)クボタのクラウド環境との接続容易性
Sigfoxネットワークサービスには、データを蓄積するためのクラウド環境が含まれており、データ連携(データ転送/API)も標準で実装されているため、クボタのクラウド環境(KSAS)と容易に連携が行えた。

(3)低コスト
他の通信方式と比較して、長期間運用した際のサービス提供にかかるライフサイクルコストが安価で、クボタが実現したいサービスのコンセプトと合致していた。

導入後、生産者が元々所有していた農機にSigfoxデバイスを後付けし、位置情報を自動取得することで、KSAS対応機と非対応機を一元管理できるようになった。クボタは、Sigfoxを活用したこのサービスを「KSASシンプルコネクト」として、2024年3月から提供している。

京セラコミュニケーションシステムは、今後もSigfoxの提供を通じてクボタのスマート農業推進を支援するとともに、IoTでさまざまな課題を解決すべくSigfox事業を展開していくという。


株式会社クボタ
https://www.kubota.co.jp/
KSASシンプルコネクト
https://agriculture.kubota.co.jp/ksas/function/14.html
京セラコミュニケーションシステム株式会社
https://www.kccs.co.jp/company/
Sigfox
https://www.kccs.co.jp/sigfox/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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