薬剤散布から播種まで! 農業用ドローンカタログ<2021年秋冬版>

農業用ドローンとは?

農業用ドローンは、農薬や肥料の散布に使用するタンクやノズルを搭載したマルチローター型の無人航空機です。現在日本では、農業人口の減少や農業者の高齢化等を背景に、ロボットやAI、IoT、ドローン等の先端技術を活用したスマート農業の普及が進められています。

農林水産省は、農業用ドローンの普及拡大に向けた施策として、2019年に「農業用ドローン普及計画」を策定。実証実験の実施やオペレーターを育成するスクール向けの助成金の創設等を通じて、その利用を促進しています。

また、最近では、高いセキュリティ機能を備えた高性能な農業用ドローンの開発を目指すコンソーシアムも発足。散布の精度向上など、農業生産の省力化・効率化に向けた取り組みやドローンで撮影した圃場の画像を分析して、農作物の生育状況や病害虫の発生等を可視化する技術の開発が進められています。


農業用ドローンの機能

農業用ドローンの機能は主に以下の3つです。

  1. 農薬の散布
  2. 肥料の散布
  3. 水田の播種

いずれも液体や固体をドローンに積載し、それらを散布するもののため、必然的にドローンのサイズも大きくなります。1回の飛行の目安は1haあたりに散布できることを基準として、ローターのパワー、バッテリー容量、積載タンクの容量などによって大きさや価格が変わってきます。

機能としては、GPSやRTKなどによりドローンの位置を正確に把握し、自動直進、自動ターン、さらには指定した圃場内を自動的に散布することも可能です。これらの機能も価格や目的によってドローンごとに異なりますが、最近のドローンは人間が直接操縦する技術はそれほど必要なく、人間に求められるのは周囲の安全確認や緊急時の操作などです。

飛行に必要なライセンスは、使用するドローンのメーカーによって異なりますが、農薬は航空法が定める「危険物輸送」、「物件投下」に該当するため、散布予定日の10開庁日前までに、国土交通省の地方航空局長の許可を得る必要があります。

詳細は、農林水産省が定めるガイドラインに記載されていますので、これを参考に散布計画を立てれば良いでしょう。

参考:無人マルチローターによる農薬の空中散布に係る安全ガイドライン[PDF]
https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/attach/pdf/120507_heri_mujin-132.pdf

ちなみに、圃場の画像や映像を撮影して生育状況や雑草・病害虫などの状況を把握するセンシングもドローンで行いますが、こちらは農業用ドローンほどのサイズは必要なく、小型でカメラを搭載したドローンが用いられています。散布機能などもを持つ農業用ドローンにカメラを搭載しているものはほとんどなく、センシングと散布は現状では切り分けて考えられることが多くなっています。


農業用ドローンカタログ【2021年秋・冬版】


ここからは、日本国内で入手可能な農業用ドローンをご紹介していきます。
※2021年10月時点の情報です。各機種の最新情報はメーカーサイトをご参照ください。画像等は公式サイトから引用しています。

1.ciDroneciDrone AG(ciRobotics)



特徴
オートモード、セミオートモード、マニュアルプラスモードの3つの散布機能を搭載。
農薬散布に適したプロペラを採用しているため、風の影響を最小限に抑えることができる。

価格:要問合せ
規格:1300mm×1300mm×570mm
重量:10.9kg(バッテリーなし)
散布面積:1ha
https://www.cidrone.jp/product/


2.ciDrone AG R-17(ciRobotics)



特徴
17リットルタンクを搭載した大規模農家向けモデル。
自立散布システムモードを使用すれば、A地点、B地点を設定するだけで農薬を自動で散布できる。

価格:要問合せ
規格:1630mm×1630mm×555mm
重量:15kg(バッテリーなし)
散布面積:2ha
https://www.cidrone.jp/product/

3.AGRAS MG-1(DJI JAPAN)



特徴
効率的な⾶⾏ルートを⾃動的に作成する⾃動散布システムを搭載。
⾼精度な3つのマイクロ波レーダーが圃場の地形を認識して農作物との距離を⼀定に保つ。

価格:要問合せ
規格:1460mm×1460mm×578mm※スペックページと微妙に数字が違う
重量:9.8kg(バッテリーなし)
散布面積:1ha
https://www.dji.com/jp/mobile/mg-1s

4.AGRAS T20(DJI JAPAN)



特徴
センチメートルレベルの精度を誇るRTK測位システムを搭載。
経由地点をセンチメートル単位で記録できる。

価格:要問合せ
規格:1795mm×1510mm×732mm
重量:23.1kg(バッテリーなし)
散布面積:1.5ha
https://www.dji.com/jp/mobile/t20

5.AGR16B・AGR24B(Drone Work System)



特徴
軽自動車に最大4台積載できるコンパクト設計。
同時通話対応インカムとFPVカメラを使用した2オペレーター散布が可能。

価格:178万5000円~
規格:1600mm・1840mm×1560mm×640mm※アーム格納時と違う、そもそも数字が違う?
重量:17.9kg・20.8kg(バッテリー含む)
散布面積:1.5ha・2.5ha
https://d-w-s.co.jp/product-introduction/agrdrone/agr16b24b

6.エアロスプレーヤーAS5Ⅱ(EAMS ROBOTICS)



特徴
狭小地での使用が可能な小型モデル。世界中のGNSSに対応する。
散布⼱は最⼤約4m。

価格:要問合せ
規格:1000mm×1140mm×590mm※軸間は1060mm
重量:9.0kg(バッテリーなし)※15.9kgでは?→バッテリーの重量はどこに?
散布面積:0.5ha
https://eams-robo.co.jp/products.html#agriculture

7.エアロスプレーヤーAS10(EAMS ROBOTICS)



特徴
Windows対応のタブレット操作が特徴。画面は10インチ、12インチの2つから選択できる。
粒剤対応のアタッチメントも用意。

価格:オープン
規格:1278mm×1588mm×754mm※軸間は1501mm
重量:28.4kg
散布面積:1ha
https://eams-robo.co.jp/products.html#agriculture

8.Agri-Flyer(IER・⽯川エナジーリサーチ)



特徴
⾃動離着陸機能、⾃動横移動機能、コースロック機能(直進機能)など、農薬散布のために開発されたアシスト機能付き。タンクを取り外して丸洗いすることもできる。

価格:要問合せ
規格:1100mm×1160mm×650mm※パンフレットと数字が違う(1100mm×1730mm×645mm)
重量:16.9kg(バッテリー含む)
散布面積:1ha
http://ier.co.jp/products-detail.php?f=c99b034ebc9417beb31ee83b3828da05

9.P20 2019(XAG JAPAN)



特徴
スマートフォンの専⽤アプリを使用して操作。
⽔稲、果樹、フリールートなど栽培する作物や圃場に合わせた飛行が可能。

価格:要問合せ
規格:1852mm×1828mm×490mm※HPに詳細ナシ
重量:19.1kg(バッテリー含む)
散布面積:1ha
https://www.xa.com/jp/pseries

10.P30 2019 (XAG JAPAN)


特徴
粒剤散布機能を追加したP20 2019の上位モデル。
水田の直播にも使用できる。

価格:要問合せ
規格:1852mm×1828mm×495mm※HPに詳細ナシ
重量:22.8kg(バッテリー含む)
散布面積:1ha
https://www.xa.com/jp/pseries

11.AC101(NTT e-Drone Technology)



特徴
「軽量・コンパクト・低燃費」の3つをコンセプトに開発したモデル。
1つのバッテリーで2.5haの散布が可能。

価格:要問合せ
規格:935mm×935mm×676mm
重量:7.3kg(バッテリーなし)
散布面積:2.5ha
https://e-drone.tech/

12.MGー1SAK(クボタ)



特徴
高度を一定に保つ制御レーダーと障害物を検知するレーダーを搭載。
クボタ独⾃の営農管理システムKSASとの連携も可能。

価格:要問合せ
規格:1460mm×1460mm×578mm
重量:9.8kg(バッテリーなし)
散布面積:1ha
https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/mg_1ksak/

13.T20K(クボタ)



特徴
⼤容量16Lタンク搭載の⼤型タイプ。
クボタ独⾃の営農管理システムKSASとも連携。

価格:要問合せ
規格:1795mm×1510mm×732mm
重量:22.2kg(バッテリーなし)
散布面積:1.5ha
https://agriculture.kubota.co.jp/product/kanren/t20k/

14.KATANA12D1750F(SAiTOTEC)



特徴
農薬散布と農作物の運搬作業が行えるカスタマイズ型ドローン。
最大積載量は40kg(収穫コンテナ2個分)。

価格:要問合せ
規格:1870mm×1650mm×930mm
重量:55kg(バッテリー含む)※機体重量+バッテリーだと54.6Kgになるのでは
散布面積:4ha
https://saitotec.com/products/katana/katana-12d1750f/

15.TA408(TEAD)



特徴
⾼度維持センサーとデュアルGPSを搭載。
散布アームの折れを防ぐフレキシブルノズルも採用。

価格:オープン価格
規格:1152mm×1152mm×580mm
重量:24.7kg
散布面積:1ha(12分)
https://www.tead.co.jp/product/ta408/

16.M4E(TTA JAPAN)



特徴
クイック式折り畳みアームを採用した⼩型モデル。
農薬散布専⽤アプリによる⾃動⾶⾏が可能。

価格:78万円(税別)
規格:1360mm×1360mm×550mm※数字がどこにあるのかわからない
重量:7kg
散布面積:0.6ha
http://www.ttajapan.com/product/m4e/

17.G200(TTA JAPAN)



特徴
FPVカメラ、夜間⾶⾏ライト、障害物センサー等を搭載したGPS+RTKモデル。
農薬散布専⽤アプリによる⾃動⾶⾏が可能。

価格:184万円8000(税込)※価格変わってる? HPでは220万円(税別)
規格:1808mm×1566mm×680mm※数字なし
重量:19.4kg(バッテリー含む)
散布面積:2ha
http://www.ttajapan.com/product/g200-rtk16l%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%EF%BC%89/

18.ヘリオスアグリ5(東京ドローンプラス)



特徴
軽トラックにも軽々乗せられる山間地向けの小型モデル。
4a以下の圃場におすすめ。

価格:71万円5000円(税込)
規格:1404mm×1215mm×500mm※HPでは435mm?
重量:6.2kg(バッテリー含む)※バッテリーの重量はどこに?重量は4.5kgと書いてあるのでそれでもよいのでは
散布面積:0.5ha
https://tdplus.jp/drone-heliosagri/

19.ヘリオスアグリ10(東京ドローンプラス)



特徴
ヘリオスアグリシリーズの10リットルモデル。
農薬搭載容量が多いため、より大きな圃場で使用できる。

価格:101万2000円(税込)
規格:2250mm×2192mm×545mm
重量:10.3kg(バッテリー含む)※総重量とはバッテリー含むのか?総重量は8.9kg
散布面積:1ha
https://tdplus.jp/drone-heliosagri/

20.ヘリオスアグリ 16



特徴
2021年8月に発売されたヘリオスシリーズの最上位機種。
大規模農家向けの16リットルタンクが特徴。

価格:要問合せ
規格:1800mm×1800mm×600mm
重量:15.3kg(バッテリー含む)
散布面積:2ha
https://tdplus.jp/agricultural-drone/heliosagri16/

21.TSV-AQ2(東光鉄⼯)



特徴
播種作業や受粉作業にも使用できる農薬散布ドローン。
指定した2つの地点を自動で散布するAB点モードを採⽤。

価格:121万円(税込)
規格:1830mm×1830mm×540mm
重量:9.8kg(バッテリー・散布装置なし)
散布面積:1.5ha(6リットル×2回)
https://www.toko-tekko.co.jp/smarts/index/101/#block961

22.TSV-AQ2+(東光鉄⼯)


特徴
TSV-AQ2のフルスペックモデル。
360°障害物センサーを使用して障害物との距離を保つ。⾃動航⾏モードによる自動散布も可能。

価格:176万円(税込)
規格:1830mm×1830mm×540mm
重量:9.8kg(バッテリー・散布装置なし)
散布面積:1.5ha(6リットル×2回)
https://www.toko-tekko.co.jp/smarts/index/101/#block961

23.DWS-C10(Drone Work System)



特徴
防⽔防塵ボディを備えた低コストモデル。
自社設計のコントローラーを使用した安定的な飛行が特徴。

価格:98万円7800円(税込)
規格:650mm×680mm×595mm
重量:14.8kg(バッテリー含む)
散布面積:1ha
https://d-w-s.co.jp/product-introduction/agrdrone/dws-c10

24.Nile-T20(ナイルワークス)



特徴
測量した圃場データを参考に散布ルートは⾃動で⽣成。
株元散布など使用する農薬の特徴に応じた散布が行える。搭載カメラを使用した圃場センシングも可能。

価格:オープン
規格:1850mm×1440mm×830mm
重量:18.5kg(機体13.3Kg・バッテリー 5.2kg)→※バッテリー含むでもよいのでは?
散布面積:1ha
https://www.nileworks.co.jp/product/

25.FLIGHTS-AG V2(FLIGHTS)



特徴
粒径0.5〜6mmの粒剤に対応。10kgの大容量タンクを持ち、1haの散布を約10分で行える。
⼿動で⾶⾏し⾃動で散布するM+モード機能付き。

価格:90万2000円(税込)
規格:650mm×680mm×595mm
重量:14.8kg(バッテリー含む)
散布面積:1ha
https://flights-ag.com/

26.MMC1060(丸⼭製作所)



特徴
中⼭間地域でも使用できる軽量コンパクトな設計が特徴。
無⼈ヘリコプターで多くの実績を誇る⾼圧ピストンポンプを採⽤している。

価格:209万円(税込)
規格:987mm×1129mm×548mm
重量:7.5kg(バッテリーなし)※乾燥質量
散布面積:0.5ha(4リットル)
http://www.maruyama.co.jp/products/42/index.html

27.⾶助MG・DX(MAZEX)



特徴
特許を取得した4枚プロペラ&前後ノズル切替の散布システムを採用。
さまざまな状況に応じて直感的に操作できる独⾃の制御装置も備えており、直進アシスト・⾃動⾶⾏・連動散布も標準で装備。

価格:92万4000円(税込)~
規格:1160mm×1160mm×620mm
重量:11.1kg(バッテリーなし)
散布面積:1.25ha
https://mazex.jp/tobisukedx

28.⾶助mini(MAZEX)



特徴
飛助シリーズのコンパクトモデル。小型だが⼤型機クラス相当の飛行性能を誇る。
MG・DXモデルにも搭載されている⾃動⾶⾏、直進アシスト、連動散布機能も備えている。

価格:60万5000円
規格:990mm×990mm×548mm
重量:6.2kg(バッテリーなし)
散布面積:0.625ha(5リットル)
https://mazex.jp/product_cat/tobisukemini

29.YMR-08(ヤマハ発動機)



特徴
⼒強いダウンウォッシュを⽣み出す⼆重反転ローターを採用。
ノーマルモード、⾃動クルーズコントロールモード、⾃動ターンアシストモードの3つのモードから、圃場やオペレーターの状況にあわせた選択が可能。

価格:173万2500円(税込)
規格:1923mm×2181mm×669mm
重量:10.3kg(バッテリーなし)※どこに書いてる?
散布面積:1ha(水稲)
https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/multi/

30.YMR-08AP(ヤマハ発動機)



特徴
YMR-08を基本性能にオートパイロット機能を追加。
⾃動⽣成された散布ルートを忠実に⾶⾏し、オペレータのスキルによる散布のムラをなくす。

価格:206万2500円(税込)
規格:1923mm×2181mm×702mm
重量:12.4kg(バッテリーなし)※どこに書いてある?
散布面積:1ha(水稲)
https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/multi_ap/


SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    たまきいちろう。68歳。日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 田中克樹
    たなかかつき。32年間の農業出版社勤務を経て、2020年末、故郷の八ヶ岳南麓に帰郷。仲間と共に農業・福祉系NPOを立ち上げ、遊休農地・耕作放棄地を再生し、心身の癒しや健康づくりにつながる有機無農薬の体験型農園づくりに取り組む。NPOでは田んぼ除草にホバークラフトを活用したスマート技術を開発中。農と風土(フード)を愛する人たち向けのブックカフェ・居酒屋を開くのが夢。
  3. 山田正美
    大阪工業大学大学院修了。福井県職員として、農業試験場研究員、専門技術員、農業技術経営課長、農林水産部技幹を経て退職。現在、日本生産者GAP協会常務理事、日本農業サポート研究所主席コンサルタント。
  4. 福田浩一
    ふくだこういち。東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。現在は主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。http://www.ijas.co.jp/
  5. 中村圭佑
    なかむらけいすけ。明治大学農学部卒業後、日本農薬株式会社に約7年勤務。その後、大手経営コンサルティング会社を経て、FOOD BOX株式会社を2019年7月に起業。Facebook:https://www.facebook.com/foodboxjp/、Instagram:https://www.instagram.com/foodbox_jp/
AI・IOTでDXを推進する企画・セールス・エンジニア大募集