運搬用ロボットサウザーの「農業向け試験モデル」発売、第4回ロボデックスに実機を出展

株式会社Doogは、物流倉庫や製造現場向けに開発・提供された追従型の運搬ロボット「サウザー(THOUZER)」の農業向け試験モデルの販売を開始した。価格はオープン。

ビニールハウス内での検証実験も実施

「サウザー」は、つくば市に本社を構えるロボティクス企業Doogが開発した運搬用ロボットだ。
サウザーEシリーズベースユニットサウザー(THOUZER)Eシリーズベースユニット

自動追従と無人ライン走行の2つが可能で、最大120kgまで運搬できる。「搬送作業に専従者が不可欠であり、作業の効率や安全性を高めたい」、「既設設備の活用や、現場作業の工程を大幅に変えずに生産性を上げたい」など、あらゆる現場ニーズに応えた機能を有している。

今回販売を開始した農業向け試験モデルは、自動巡回走行や自動往復走行、走行の開始/停止ができるクイックボタン等の機能が追加。作物や圃場別の機能追加は実施せず一律モデルでの販売となっている。

使用機材 左:反射シート/反射布ロール 中央:クイックボタン 右:セレクタスイッチ自動往復走行時に使用する再帰反射布ロール(左)、走行の開始/停止が可能なクイックボタン(中央)、自動巡回走行時に使用するセレクトスイッチ(右)

また、複数の農業関係者の協力のもと行われた検証実験では、傾斜や段差を含むビニールハウス内での走行運転のほか、高視野なレーザーセンサーによる夜間走行などが確認された。

ビニールハウス内における基本検証の様子トマトを栽培するビニールハウス内での実験の様子

「第4回ロボデックス」に実機を出展

同社では、サウザーをスマート農業を模索するためのひとつのツールとして、以下5つの研究・検証・実証事業を想定しているという。

  1. 観測機器の搭載による生育状況の日々検査のための自動巡回走行
  2. 噴霧器等の搭載により薬品等を噴霧・散布しながらの自動巡回走行
  3. ハウス内の作業(植え付け、手入れ業務、収穫など)の資材や収穫物等の運搬支援
  4. 建屋間の移動を含めた機材の運搬支援
  5. 鳥獣害対策のための自動巡回走行

今後は、2020年2月12日~14日に東京ビッグサイトで開催されるロボットの開発・活用展「第4回ロボデックス」への出展が予定されている。


株式会社Doog
https://jp.doog-inc.com/index.html
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
パックごはん定期便