AIによるイチゴの品種開発などを手がけるCULTA、垂直統合モデルで海外進出

株式会社CULTAが、7億円の資金調達を実施したと発表した。「独自のAI品種開発プロセス」によって、世界中に独自品種を自社ブランドで展開し、グローバル農業の産業変革に挑むとしている。


気候変動に適応する新品種でさらなる海外展開を推進


CULTAは、ゲノム編集や遺伝子組換えを用いない「独自のAI品種開発プロセス」を強みに、これまでに、従来10年を要するイチゴの新品種開発に2年で成功。独自品種イチゴ「SAKURA DROPS」など、4品種の開発・市場投入を実現している。

「SAKURA DROPS」は、高温環境下でも安定した収量・品質を実現できる「気候変動耐性」、果実の硬度を高めることで、完熟状態で収穫・輸送しても10日以上の品質維持ができる「完熟持続性」を有しているのが特徴だ。

CULTAは、自社開発品種による農業生産を生産者に委託し、生産された農作物を原則全量買い取り、自社で販売・マーケティングまでを一貫して担う「垂直統合モデル」を採用している。すでに日本・マレーシアでの生産拡大を進めており、シンガポール・マレーシア・香港・タイの小売店等にて、同社品種のイチゴが販売されている。

CULTA自社品種による独自ブランド「SAKURA DROPS」

CULTA自社品種による独自ブランド「YUKIMI DROPS」

今後は垂直統合モデルによる日本・東南アジア展開を加速。日本国内への販売を順次開始する。また、これまでの実績をもとに、新規海外産地を拡大。豪州や北米・欧州などの海外の大規模農業に適応するよう、さらなる品種開発を加速させる。加えて、ブドウ・リンゴといった気候変動に極めて脆弱な果樹領域の品種開発にも着手するという。

 

CULTA代表取締役CEO 野秋収平氏のコメント
CULTAは「農業」という産業の構造を変革するために設立されました。世界中で高品質な農産物が求められているという大きな機会がある中、加速する気候変動は、間違いなくこの産業の大きな足枷となります。世界中の産地で「今まで通り作れない」という産業存続の危機が、現実のものとなってきました。 気候変動はグローバル農業に訪れた明確なパラダイムシフトです。農家が品種の切り替えを迫られる次の10年に、農家・消費者双方が求める「次世代品種」を届けることができる会社こそが、この産業で「次世代のリーディングカンパニー」になると確信しています。

すでにイチゴのみならず、ブドウ・リンゴ等の新品種開発にも着手し、高速で進行中です。目指すのは、あらゆるフルーツ・嗜好作物をを手がけるグローバルカンパニーです。私たちの最終ゴールは、人類の豊かさに欠かせないこの巨大産業を次世代に引き継ぐことです。CULTAは品種開発のテクノロジーと日本の強みを活かして、世界中の生産者と手を取り合いながら、「気候変動に負けない農業」を創っていきます。



株式会社CULTA
https://culta.jp/

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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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