ヤンマー、自動運転トラクター「SMARTPILOT」シリーズを10月に発売

ヤンマーアグリ株式会社は、位置情報やロボット技術などのICTを活用して農作業の省力・省人化、効率化を実現する自動運転トラクターを、10月1日より順次発売する。自動運転技術搭載機種は「SMARTPILOT」シリーズとしてラインアップを強化していく。


作業の省人化を実現する無人運転のロボットトラクターに加え、最小限の操作を有人で行い、経験や勘に頼っていた高精度な作業を自動化して省力化を実現するオートトラクターをラインアップ。さらに、すでに所有しているYTトラクターを改装することでオート、ロボット仕様にアップグレードすることも可能だ。

主な特徴
(1)作業内容やオペレーターに応じて設定可能な2つの自動運転モード
「直進モード」では、直進のみを自動で、旋回などの運転操作は手動で行う。「オートモード」では、自動直進に加え、旋回にともなうハンドル操作と作業機の昇降などの操作を自動で行う。これらのモードは切り替えが可能で、オペレーターの人数や作業者のスキル、作業内容に応じて設定可能。


(2)タブレット操作と高精度な位置情報による作業性の向上
操作・設定には防塵・防水性に優れた10.1インチのタブレットを採用。タブレット内の情報はアイコンやイラストで表示し、作業領域や経路作成、運転中の軌跡確認など、簡単な操作が可能。2台のトラクターでの協調作業時には、随伴(あるいは併走)する有人トラクター内にて近距離監視を行いながらタブレットにより無人トラクターを操作できる。

また、RTK-GNSSを活用し、衛星(GNSS)と基地局からの電波で位置情報を取得してトラクターに補正情報を送信。オプションでヤンマー独自の基地局を設置することで高い精度での補正情報取得が可能になる。


(3)安心して作業ができる充実した安全装置(ロボットトラクターのみ)
無人での運転・作業を行うロボットトラクターでは、レーザーや超音波で物体との距離を計測するセンサーや、全方向から自動走行の状態を確認できる3色のセーフティランプを設置し、周囲の安全を確保。自動運転中にエンジンが停止すると自動でブレーキがかかるセーフティブレーキも装備。


(4)既存のYTトラクターから自動運転仕様へのアップグレードに対応
すでにYTトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A/490/5101/5113)を所有されている場合、工場オプションにてオート仕様、ロボット仕様にアップグレード可能。新たにトラクターを購入せずに自動運転仕様にすることができる。
※ヤンマートラクターの工場での改装が必要(ファクトリーオプション)。改装キットの種類により、対応できる機種は異なる。

価格
オートトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A)
発売日:2018年10月1日
商品価格:1072万5000円~1407万5000円(税抜)

ロボットトラクター(YT488A/498A/4104A/5113A)
発売日:2018年10月1日
商品価格:1214万5000円~1549万5000円(税抜)

<参考URL>
ヤンマー
https://www.yanmar.com/jp/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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