農業者向け補助金・支援制度の認知は3割程度…… 唐沢農機サービスの農業メディア「TSUCHIKAU」で公表

株式会社唐沢農機サービスは、2020年3月4日~9日に実施した「農家・農業に関する調査」の結果を、運営する農業メディア「TSUCHIKAU(ツチカウ)」で公表した。

唐沢農機サービスは、新品農機の販売や中古農業の販売、修理事業などを行う長野県の地域企業。今回の調査は、農業収入がある全国の自営農家および一般農業関心層を対象に行ったもの。結果からは農業者向けに支給される補助金・支援制度の利用実態や不満点等、農家の補助金・支援制度の課題が明らかになったほか、有機農業への関心度やイメージの統計比較が示されている。





各補助金・支援制度の内容認知はいずれも3割弱、名称認知は半数程度


今回の調査は、「農業次世代人材投資事業(旧・青年就農給付金)」、「青年等就農資金」、「農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)」、「経営体育成強化資金」、「農業近代化資金」の内容や名称の認知、制度イメージについて回答を得たものである。

資料によれば、各補助金・支援制度それぞれの内容認知はいずれも3割弱で、名称認知も半数程度に留まる結果から、今後の課題として「制度の周知」が見えている。
認知率、利用率においては「農業近代化資金」が最も高く、その他の補助金・支援制度の名称認知はいずれも半数以下という結果に留まった。


補助金・支援制度のイメージ・不満点としては「手続きが面倒」に次いで「どんなものがあるのか不明」が2位と、周知に関する課題が目立ったという。「審査」「期間」「受け方」なども上位にのぼるほか、「アドバイスしてくれる人」のニーズも4人に1人という結果となった。


有機農業への関心度を調査したアンケートでは、一般農業関心層ではポジティブな関心を持つことが明らかになった反面、農家からは「手間がかかる」「効率が悪い」といったネガティブな回答が目立った。

「TSUCHIKAU」では、農家や農業従事者をはじめ一般消費者へ向けた農業コンテンツを展開。中でも農業従事者向けには今回調査を行った制度や仕組みに関する情報や、農機を購入する際に注意すべき事項を提供し、幅広い層に対し、農業に関する有益な知識を培うサイトを目指しているという。


調査結果サマリー(ツチカウWEBサイト)
https://www.tsuchikau.com/chousa20200316/
株式会社唐沢農機サービス
https://www.karasawanouki.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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