「日本の農業はなぜ成長できないのか」をテーマにしたグローカル・ビジネス・セミナーが1月10日に開催

特定非営利活動法人ZESDAは、株式会社野口農園取締役で民俗学者の野口憲一氏、株式会社ウロ代表取締役でジャーナリストの山口亮子氏、ノンフィクション作家の窪田新之助氏を迎え「日本の農業はなぜ成長できないのか」をテーマにした「グローカル・ビジネス・セミナーvol.33」を2026年1月10日(土)に開催する。会場とオンラインのハイブリッド開催で、参加費は無料だ。


コメを起点に日本農業の「成長戦略」を探る


日本の農業は技術も人材もありながら、その潜在力が制度や慣行との関係の中で十分に活かされていないのではないかという問題意識が共有されつつある。とりわけ「コメ」は、その縮図と言える。

これまでの保護や価格安定の仕組みは、生産者の行動や経営判断に大きな影響を与えてきた。その結果、日本のコメ農業は、世界市場との向き合い方においてもさまざまな制約を抱えていると指摘されているという。

窪田新之助氏と山口亮子氏の共著『誰が農業を殺すのか』では、こうした農業政策や産業構造の変遷をたどりながら、成長を妨げてきた要因を多面的に整理している。また、山口氏の近著『コメ壊滅』では、令和のコメ騒動をもとに、市場との関係性や政策運営上の課題を描き出している。

一方、農業法人役員であり民俗学者でもある野口憲一氏は、著書『コメ関税ゼロで日本農業の夜は明ける』において、農家の持つ実践知や身体知に着目し、日本農業をあらためて成長産業として位置付け直すための考え方を提示している。

今回行われるセミナーでは、コメを一つの入り口として、日本の農業が世界市場も視野に入れつつ、どのように持続的な成長を実現しうるのかを議論する。成長を妨げてきたとされる構造や政策的背景を批判的に検討する視点と、今後の成長のあり方を構想する視点を行き来しながら、地域の農業現場と世界市場との間をつなぐ中長期的な戦略像を探ることを目指す。

企画・コーディネートは、窪田氏・山口氏の共著や野口氏の著書を担当してきた新潮社新書編集部の横手大輔氏が務めるほか、総合司会として明治大学政治経済学部教授の奥山雅之氏も登壇する。

セミナー終了後には懇親会も開催され、セミナー内容について登壇者へ直接質問したり、参加者同士での交流が可能だ。

開催概要

「グローカル・ビジネス・セミナーvol.33」
日時:2026年1月10日(土) 13:00~15:00(会場は12:30から受付開始、オンラインは12:55から入室可能)
場所:明治大学駿河台キャンパスリバティタワー7階1073教室(東京都千代田区神田駿河台1丁目1−1)
※オンラインはZOOMで開催
料金:無料
申込URL:https://zesda.jp/glbs033/
「懇親会」
場所:カフェ パンセ(東京都千代田区神田駿河台1-3-3)
日時:2026年1月10日(土)16:00~18:00
料金:2,500円(税込)


特定非営利活動法人ZESDA
https://zesda.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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