コロナ余波で困る農家に農作業人材をマッチングする「農How」のアグリトリオが独立

武蔵精密工業株式会社は、農業の人手不足の解消を目指した「農How」を提供する社内ベンチャー「アグリトリオ」を「株式会社アグリトリオ」として分社化することを発表した。

株式会社アグリトリオでは今回の分社・法人化にあたり、「事業展開を加速させると共に、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を通じた持続可能な社会の実現を目指したい」と述べている。


地方ネットワークや企業リソースを活用し事業拡大を目指す


武蔵精密工業は、愛知県豊橋市に本拠を置く、自動車・汎用機器等の部品製造メーカーだ。同社が本拠を置く東三河地区は、全国でもトップクラスの農業生産額を誇る地域として知られているが、人口減少や農業就業者の減少など、多くの社会課題を抱えている。

その社内ベンチャーとして設立されたアグリトリオは、株式会社サイエンス・クリエイトが運営する「Startup Garage」の支援で開始された新規事業プロジェクト。人手不足に悩む農家と働きたい個人をマッチングするプラットフォーム「農How」を用いて、地域課題の解決を目指す。

アグリトリオが展開する「農How」は、武蔵精密工業が製造業で培ったマニュアル化技術を応用したマッチングサービスで、マニュアル化された農作業の内容を事前にスマートフォンで確認できるのが特徴だ。

同社は今後、福祉施設と農家をつなぐ請負型農福連携プラットフォーム「農Care」の開設を進め、「地域に根差したワクワクする生活を提供する」をミッションに、地方ネットワークや企業リソース活用しながら事業拡大を目指す考えだ。

アグリトリオの代表取締役に就任した石川浩之氏


株式会社アグリトリオ
https://agritrio.co.jp/
武蔵精密工業株式会社
http://www.musashi.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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