青果流通と農業経営モデルにスマート農業を活用 セラクとR&C HDの提携で

株式会社セラクと株式会社R&Cホールディングスは、スマート農業で収集したデータを青果流通に活用する新たなプラットフォームの構築を目的とした業務提携を発表した。

両社は「セラクが持つスマート農業の技術と、R&Cホールディングスが持つ青果流通ノウハウ・実績を組み合わせることで、スマート農業を活用した青果流通の最適化と次世代へ向けた農業経営モデルの構築を進めたい」としている。

スマート農業を用いて青果流通の最適化を目指す


セラクは、IoTやAI、サイバーセキュリティなど先進技術を用いて企業のデジタル化を支援するIT企業だ。

農業分野では、農業生産の可視化や省力化を目指した農業IoTサービス「みどりクラウド」を提供しており、作業の計画や記録が手軽に行える「みどりノート」や、流通販売を支援する「みどりマーケット」など、生産者と流通販売者の双方をターゲットにしたサービスを展開する。

一方、R&Cホールディングスは、長野県を中心に事業を展開する長野県連合青果株式会社ら青果卸6社と、青果加工業を展開する株式会社フレッシュベジ加工らで構成される企業グループだ。

青果卸や食品加工、物流を含むグループ全体の売上高は業界第2位を誇る。


業務提携では、スマート農業を活用した「加工用青果流通の最適化」と「農業経営モデルの構築と普及」の2つを目標に、両社の強みを生かした取り組みを展開していくという。

「加工用青果流通の最適化」では、セラクが開発を進める食農データ流通のプラットフォーム「みどりマーケット」を活用し、R&Cホールディングス傘下のフレッシュベジ加工が取り組む青果加工の流通強化を図る。


「農業経営モデルの構築と普及」では、「みどりクラウド」のデータに基づく金融機関からの資金提供やスマート農業を活用した栽培技術、R&Cホールディングスが持つ多様な販路を組み合わせることで、安定的な農業経営モデルを提案していく。


農業経営の安定化は、R&Cホールディングスが扱う青果の継続的な調達にもつながることから、この取り組みを長野県内の金融機関や自治体へ働きかけることで、モデルの普及・拡大を図りたい考えだ。

セラクは、R&Cホールディングスとの業務提携を通じ、「青果流通の知見と実績を持つR&Cホールディングスの協力を得ながら、業務提携で得た知見をみどりマーケットの正式サービス化にも生かしたい」とコメントしている。


株式会社セラク
https://www.seraku.co.jp/
長野県連合青果株式会社
http://www.rengo-seika.jp/index.php
株式会社フレッシュベジ加工
http://freshvege.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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