千葉エコ・エネルギー、露地栽培と施設栽培でのソーラーシェアリング実証をスタート

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)に取り組む千葉エコ・エネルギー株式会社が、農林水産省の令和2年度事業「営農型太陽光発電システムフル活用事業」に採択された。露地栽培施設栽培において、蓄電池併設の営農型太陽光発電設備を活用した実証を行う。


複数の農業形態で実証調査を行う

千葉エコ・エネルギーが採択された「営農型太陽光発電システムフル活用事業」は、営農型太陽光発電で発電した電気を自らの農業経営の高度化に活用し、営農型太陽光発電のメリットを営農面でフルに活用するためのモデル構築を支援する事業である。

千葉エコ・エネルギーは実証事業で、露地栽培・施設栽培の2地区にて、太陽光発電設備から給電する蓄電池と電動農機具等の稼働状況を記録し、従来の栽培方法の燃料コスト・労働時間・収穫量などと比較。電動農機具等と蓄電池の効率的な利用方法やシステム設計を調査する。

また、上記実証をもとに、露地栽培と施設栽培の2種類の営農形態における、農業の電化の技術的・制度的課題や農業経営におけるインパクトを評価するために有識者を招致して検討会を実施する。

事業計画地

1.千葉県千葉市緑区大木戸町(露地栽培)
約1haの営農型太陽光発電設備(遮光率48%)があり、千葉エコ・エネルギーが設備を所有しながら設備下での営農も行っている。2020年5月に、農業資材ハウスの上部に設置するオフグリッド型太陽光発電設備(パネル容量2.04kWp・蓄電容量6.5kWh)の設置が完了しており、電動農機具等に給電しての栽培が始まっている。

実証栽培作物はニンニク、ショウガ、トウキ、サツマイモなど。

自家消費発電設備自家消費発電設備
電動農機具電動農機具
保冷庫保冷庫
2.茨城県神栖市(施設栽培)
間口4.5m・奥行36mのビニールハウス。周辺ではピーマンやイチゴなどを栽培しており、同様のサイズのハウスが複数棟並んでいる。実証に伴い、系統連系型太陽光発電設備(パネル容量2.04kWp・蓄電容量6.5kWh)の導入を7月下旬頃に予定。

なお、実証は株式会社マイファームが実施し、実証栽培作物はピーマンと葉物野菜(パクチーの予定)。



千葉エコ・エネルギー株式会社
https://www.chiba-eco.co.jp/
農林水産省:営農型太陽光発電システムフル活用事業
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/renewable/energy/attach/pdf/yosan-48.pdf
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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