JAアクセラレーター「Plant&Grow」第1期として、テラスマイル、kikitoriが採択

一般社団法人AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)は、日本の農業や地域社会が抱えるさまざまな課題解決を目指すJAアクセラレーターの指名型プログラム「Plant & Grow」の第1期として、テラスマイル株式会社と株式会社kikitoriの2社を採択した。

第1期の採択テーマは、 生産および流通現場における「見える化・データ化」だ。

AgVenture Labは、約4カ月間のプログラムを通じて「JAグループが保有するリソースの提供と金融支援を柱に2社の事業加速を支援したい」としている。


指名型JAアクセラレータープログラム「Plant & Grow」は、JAグループの資源を用いて農業や地域社会が抱える課題を解決する商品やサービスを募集する、企業向けの支援事業だ。JAアクセラレーターに採択された企業は、JAグループが保有する施設や店舗ネットワーク、農業者との接点等の資産を活用し、新規ビジナスを展開できる。

2020年度の募集では「食と農とくらしのイノベーション」をキーワードに、AgTech・FoodTech・LifeTech・ FinTechに関連した事業を展開するスタートアップ8社が採択された。

事業課題に関連する企業を短期集中的に支援


今回採択を受けた2つの企業には、JAグループが保有する施設や店舗ネットワーク、農業者との接点、事業資金の貸付等のリソースが提供される予定という。採択2社が展開する事業は下記の通りだ。

テラスマイル株式会社


農業データの統合/解析ツール 「Right ARM」を用いて、AIによる出荷予測や営農支援、経営コンサルタントを提供する企業。宮崎県児湯郡新富町を本拠に事業活動を展開する。

同社が提供する「Right ARM」は、農林水産省が2017年に実施した「人工知能未来農業創造プロジェクト」を通じて開発された農業用の情報基盤だ。



株式会社kikitori


農業生産者や流通事業者間における農産物の入出荷等の現場業務をクラウド上で完結できるSaaS(Software as a Service)サービス「nimaru」を提供する企業。東京都文京区を本拠に事業を展開する。

同社が提供する「nimaru」は、入出荷の確認や事業者間の取引など農業者および青果卸売事業者が、農産物等を出荷する際に生じるさまざまな業務を効率化するサービスだ。



日本の農業や地域が抱える課題の解決を目指す


AgVenture Labは、 全国農業協同組合中央会、 全国農業協同組合連合会、 全国共済農業協同組合連合会、 農林中央金庫、 一般社団法人家の光協会、 株式会社日本農業新聞、 全国厚生農業協同組合連合会、 株式会社農協観光の共同出資により設立された一般社団法人。


AgVenture Labは、2019年5月の開設以来 「次世代に残る農業を育て、 地域のくらしに寄り添い、 場所や人をつなぐ」をコンセプトに、地域課題の解決に向けた新たな事業の創出や新サービスの開発等に取り組んでいる。


一般社団法人AgVenture Lab
https://agventurelab.or.jp/
テラスマイル株式会社
https://www.terasuma.jp/
株式会社kikitori
https://kikitori.jp/
SHARE

最新の記事をFacebook・メールで
簡単に読むことが出来ます。

RANKING

WRITER LIST

  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
  4. 鈴木かゆ
    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
パックごはん定期便