農水省の補助事業「ニーズに基づく播種前契約のための取組」公募開始、需要に応じた米の生産と安定供給へ

米卸の全国団体である全国米穀販売事業共済協同組合(以下、全米販)は、農林水産省の補助事業である令和8年度「ニーズに基づく播種前契約のための取組」の事務局として、事業実施者の公募を2026年5月27日(水)から開始した。

同事業は、米の播種前に生産者や集出荷業者らが数量、価格、品質などを取引先と協議し、契約として取り交わす「播種前契約」の拡大を支援するもの。応募〆切は2026年7月3日(金)。



需要に応じた米の生産と安定供給を推進


全米販は、米穀卸売業者を主たる組合員として組織する全国団体。さまざまな事業を通じて組合員の経営の自立とその強化を支援し、組合員の経済的地位の向上と社会的利益への貢献を図ることを目的としている。

 

「播種前契約」とは、米の播種前の段階で、取引先と数量、価格、品質、銘柄、受渡し方法などを協議し、契約として取り交わす仕組みだ。

米は基本的に1年1作であり、需給変動による流通への影響が長く続くという特徴がある。近年は、食生活の変化や人口減少に加え、気候変動による品質への影響も大きくなっている。こうした中、播種前契約は、実需者のニーズを生産に反映し、需要に応じた米づくりと安定供給を進める仕組みとして期待されているという。

生産者にとっては、播種前に販売先があらかじめ確保されることで一定の収入を見込めることから、経営計画を立てやすくなり、将来を見据えた投資の判断にもつながる。

一方、集出荷業者にとっては、販売先の確保に加え、実需者が求める数量や品質を生産者との商談に反映し、集荷拡大のためのツールとして活用できる。また卸売業者にとっては、調達したいと考えている品質・数量等の米を優先的に確保できるほか、長期的な調達先の確保にもつながるとしている。さらに実需者にとっても、自らのニーズに合致した米が調達しやすくなることが期待されている。



今回の補助事業「ニーズに基づく播種前契約のための取組」では、播種前契約の新たな締結や、既存契約の拡大・深化につながる以下のような取り組みが支援対象となる。

・産地との安定的な供給体制の確立
生産者との契約締結に向けた打合せ、産地訪問、技術指導、説明会の開催など、播種前契約の拡大に向けた取り組みを支援。

・播種前契約米を利用した商品の開発・販売促進
播種前契約で調達した米を利用する商品の試作品製造、パッケージ開発、広告宣伝、テストマーケティング、実需者と産地との交流などを支援。

・商品の開発・製造等に必要な機器の開発・改良等
播種前契約で調達した米を利用する商品の開発・製造等に必要な機器の開発、改良、導入・設置等を支援。なお、既存機器の単なる更新は対象外となる。

 

補助率は、取り組み内容に応じて定額または2分の1以内となっている。補助上限は、原則として1つの取り組み当たり1000万円だ。対象となる経費には、産地訪問に係る旅費、説明会開催のための会場借料、テストマーケティングに要する費用、広告・宣伝費、試作品の製造に係る原材料費、機器の開発・改良等に係る経費などが含まれる。


事業実施期間及び補助対象期間は、交付決定日または交付決定前着手届に基づき承認を受けた日から、2027年3月1日(月)まで。全米販ウェブサイトの公募ページに掲載されている公募要領等を確認し、事業実施計画書など必要書類を提出することで応募が完了する。


 



全国米穀販売事業共済協同組合
https://www.zenbeihan.com/
公募について
https://www.zenbeihan.com/kobo_r8/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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