Kenneth Reserch、2027年までの世界の農作物モニタリング市場予測・調査レポート発行

生活消費財や食品、 ヘルスケア、 情報通信技術、 エネルギー、電力、 化学などさまざまな分野の市場調査レポートを提供するKenneth Researchは、世界各国の企業が開発する農作物モニタリング技術の動向を予測した調査レポート「世界の作物モニタリング市場:世界的な需要の分析および機会展望2027年」を2020年12月10日に発刊した。

この調査レポートは、農作物モニタリング技術について、国際市場における2020~2027年までの動向を予測・分析したものという。レポートには、同社が予測・分析した2027年までの動向がテクノロジー別、アプリケーション別(フィールドマッピング・土壌モニタリング・作物スカウティング・その他)、農場規模別、地域予測別に掲載されている。


約20億米ドルの市場規模から15.21%以上の成長率を見込む


同レポートによると農作物モニタリング市場は、農業生産情報等の可視化に対する関心の高まりや各国政府のイニシアチブ、センサー価格の下落等を契機に市場全体が成長している状況にあるという。

また、米国で生産されるトウモロコシと大豆の圃場の内、収量マッピングを使用する圃場の割合が1エーカー(約1210坪)当たり約40%を占めるとの調査結果や、GPS土壌図を約30%が使用している状況も報告された。

同社は、世界の農業IoTの普及率について「2023年までに現在の38.93%から39.49%まで上昇する」との予測を示しているほか、市場全体についても「2019年時点の約20億米ドルから15.21%以上の成長率が見込める」としている。

世界の食料需要が農作物モニタリング市場の成長を牽引


経済協力開発機構と国連食糧農業機関が実施した農業統計の2019~2028年までの食料需要の年間伸び率は、穀物が1.2%、 動物製品が1.7%、 砂糖・植物油が1.8%、 豆類・根・塊茎が1.9%という。

同社は、世界の食料需要について人口増加を起因に今後も伸び続けるとした上で、世界の食料需要の高まりが今後の農作物モニタリング市場の成長も牽引する可能性を予測している。

モニタリング市場は北米がリード アジア太平洋地域でも成長を予測


世界の農作物モニタリング市場は 、テクノロジー別、アプリケーション別(フィールドマッピング・土壌モニタリング・作物スカウティング・その他)、農場規模別、地域予測別に分割されているという。

レポートでは、 各セグメントの成長機会および成長促進の要因を説明しているほか、農作物モニタリング市場全体の前年比率および収益に関する内容についても詳細なデータを紹介している。

同社は、これらの数値から今後は北米が市場をリードすると予測。さらにアジア太平洋地域についても「2020~2027年の予測期間中に最高の成長率を示す」と予測した。

国連食糧農業機関に調査によれば、中央政府における農業支出の割合が高い地域はアジア太平洋(3.03%)とアフリカ(2.30%)で、「農業部門における政府の支出の割合が高い国や地域が今後の市場を牽引する」と述べている。

レポートには、農作物モニタリング技術の開発に取り組む各国の主要企業について、財務状況と直近の収益を分析した経営に関する企業情報ほか各社が提供する製品、 支援情報等も掲載されている。


「世界の作物モニタリング市場:世界的な需要の分析および機会展望2027年」サンプル(英語)
https://www.kennethresearch.com/report-details/crop-monitoring-market/10336468
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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