茨城県那珂市、衛星データによる生育評価システム「GrowthWatcher」を用いた実証事業をスタート

株式会社Agrieeと茨城県那珂市は共同で、衛星データを活用した農作物の生育評価システム「GrowthWatcher」を用いて農業分野の課題解決を目指す実証事業を開始した。


農作物の生育状況を可視化


これまでの農業では、作業適期等の判断をデータとして蓄積している例は少なく、生産者の経験や勘に頼るケースが殆どであった。そのため、農作物のブランド化の取り組みにおいて、生産者ごとの品質のばらつきが地域全体での課題の一つとして挙げられている。

那珂市においても、特産の米、さつまいも、かぼちゃ等のブランド化に取り組む上で品質管理に課題を感じ、データ活用型農業の実践を検討していたという。

そこで、Agrieeが提供する、衛星データを活用した農作物の生育評価システム「GrowthWatcher」を導入し、圃場管理や品質管理の見直しを行うことになった。


「GrowthWatcher」は、衛星データを活用して畑に植えられた農作物の生育状況を可視化するサービスで、圃場の生育状況をWEB上で確認でき、圃場管理の効率化およびコスト削減を実現できるのが特長。栽培管理の最適化など、データ活用型農業の実践に役立てることができるという。

IoTセンサーやドローン等と比較して、データ取得に手間がかからず、広範囲の情報を一度に取得することが得意で、利用開始時の圃場登録や過去の定植情報の入力以外は特別な操作を行う必要も無い。


また、野菜類の輪作を前提としたシステム設計になっているため、前年に同じ作物を栽培していない場合でも生育評価を行うことができるほか、生産者が活用するだけでなく、JAの指導員や自治体の普及員とシステムを連携して活用することも可能になっている。

両者は今回の実証事業を通じ、衛星データを活用したスマート農業を推進することで地域課題の解決を目指す考えだ。


株式会社Agriee
https://agriee.co.jp/
茨城県那珂市
https://www.city.naka.lg.jp/

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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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