Xacti、より高解像度で農作物の生育状況を可視化する「4眼マルチスペクトルカメラ」を2023年夏に発売

株式会社ザクティは、農業用ドローンや点検ロボットに搭載可能な高解像度4眼マルチスペクトルカメラ「CN-DR450」を2023年夏に発売する。販売価格は使用用途によって異なり、90万円~150万円(税抜)を予定している。

「CN-DR450」

農作物の生育状況を可視化


ザクティは、日本設計・日本開発による高性能ドローンカメラ等を提供する企業である。名称からもわかるとおり、ムービーカメラブランド「Xacti」で有名な三洋電機からスピンオフした企業で、農業以外にも土木や製造業など、あらゆる業種に向けた遠隔支援ソリューションを提供している。

今回リリース予定の高解像度4眼マルチスペクトルカメラ「CN-DR450」は、同社が参画する「ハイスペックドローン開発コンソーシアム」の事業において、農作物の生育状況を見える化して圃場管理に役立つ画像を効率的に撮影する、農業のDX化推進に貢献するセンシング用カメラとして開発したものだ。

コンソーシアムでは、農研機構が実施するプロジェクトのひとつである「安全安心な農業用ハイスペックドローンおよび利用技術の開発」の委託を受け、高性能な農業用ドローンの開発などに取り組んでいる。

「CN-DR450」は、1つの1インチ20M画素フルカラーカメラと、3つの1インチ20M画素モノクロカメラを搭載しており、別売りの光学バンドパスフィルタを取り付ければ任意の波長帯(400~900nm)の高解像度画像を取得することもできる。

農業用途では、野菜の収穫予測に必要な個体識別やNDVI値(正規化植生指数)による生育状況を高精度に把握するためのデータ取得が可能。また、高解像度な点を活用することで、より高度を上げての撮影が可能となるため、広範囲を短時間で効率的に撮影できる。

光学バンドパスフィルタを交換し、取得波長を変えれば、インフラ点検や測量、製造工程での異物検出、医療向けの研究など、農業用途以外での活用も期待できるとのこと。

「CN-DR450」による撮影画像

現在は、各種産業ドローンに適応したインターフェースを有した複数の機種を準備中で、取り付け方法のカスタマイズ対応も行っていくという。


株式会社ザクティ
https://xacti-co.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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