イーエムアイ・ラボと麻場、車両型農薬噴霧ロボットの共同開発を開始

無人ロボットの研究・開発を手がける株式会社イーエムアイ・ラボと、農業用噴霧機の開発・製造・販売を手がける株式会社麻場は、農薬の自動散布と車両の自動走行を両立する農薬噴霧ロボットの共同開発をスタートした。噴霧機を搭載した無人ロボットの価格は100万円以下を想定。

両社は今回の共同開発を契機に、農薬噴霧ロボットの販売を含めた業務提携も視野に入れ、2021年には10台の販売を目指す。

イーエムアイ・ラボと麻場が開発を進める車両型農薬噴霧ロボット
イーエムアイ・ラボは、無人ロボットの研究・開発やAIシステムのプログラムなど、スマート技術を駆使したサービスを展開する長野県のスタートアップ企業。日本の耕地面積の約4割を占めるという中山間地域における農業課題の解決を目指した製品およびサービスを提供する。

麻場は、農業用噴霧機の開発・製造・販売を手がける長野県の農業用噴霧機メーカーで、1949年の創業以来、農作物の防除や雑草の除草の効率化を目指した技術開発を行う。

長野県内の農業者を対象に農薬散布に関するヒアリングを実施


イーエムアイ・ラボと麻場が開発を進める車両型の農薬噴霧ロボットは、両社が今年の秋に共同で試作したブドウ農家向けの無人走行ロボットをベースにした中山間地域対応の製品だ。
試作に向けた共同研究では、長野県農業を支えるリンゴ農家やブドウ農家、野菜農家を対象に、農薬散布に関するヒアリングを実施したという。


ステンレス製が一般的とされる噴霧器本体には優れた耐久性を誇るセラミック素材を採用。麻場のノウハウを活用した噴霧の向きを変更できる高性能なノズルも装備。本体規格は、全長1m、全幅0.9m、高さ0.8m。

噴霧の向きを変更できる高性能なノズル
両社が本拠を構える長野県は、総面積の約84%を山地が占める国内有数の中山間地域だ。日本の中山間地域では、農業者の高齢化や担い手不足等の課題から、傾斜地に対応する新たな製品の開発が望まれているという。
同社は「2021年春には製品のモニター販売を開始したい」としている。


株式会社イーエムアイ・ラボ
https://emi-lab.jp/
株式会社麻場
https://www.asaba-mfg.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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