ナイルワークスとダイハツ工業、農業用ドローンを活用した農業のデジタル化で協業

農業用ドローンの設計・製造・販売を展開する株式会社ナイルワークスと、自動車メーカーのダイハツ工業株式会社は、完全自動飛行型農業用ドローンの開発および専用カメラによる空からの生育診断技術を柱とする農業のデジタル化に向けた協業を開始した。

ナイルワークスは農業用ドローンを用いた農業者の負担軽減や工数の削減、農作物生産の低コスト化に取り組む企業。一方のダイハツ工業は、農業者の必需品である軽トラック開発で培った知見と技術を活用して、ナイルワークスの目標である「空からの精密農業」をサポートしていく構えだ。

ナイルワークスが2020年に宮城県登米市で実施した検証試験の様子。約2000ヘクタールの一斉防除に成功した
日本の農業は、農業者の高齢化や後継者不足等の課題を背景に、ドローンやAI、ロボット、ICT等の先端技術を活用したスマート農業の普及が進んでいる。2030年には、アグリテック市場全体が7000億円まで拡大することが予測されており、農業用ドローンについても1000億円超の成長が見込まれている。

今回の協業では、ダイハツ工業が「農業者に役立つ新たなソリューションを提供する」として、ナイルワークスをハード・ソフトの両面からサポートする。ナイルワークスはダイハツ工業との協業を通じて、農業用ドローンを活用した農業のデジタル化を推進したい考えだ。

なお、今回の協業に際しては、住友商事株式会社、ダイハツ工業株式会社、三井住友ファイナンス&リース株式会社の3社による、農業用ドローンの設計・製造・販売を手掛ける株式会社ナイルワークスへの第三者割当増資。住友商事は2017年、2019年に続き3回目、ダイハツ、SMFLは初の増資引受となる。


株式会社ナイルワークス
https://www.nileworks.co.jp/
ダイハツ工業株式会社
https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
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  1. 加藤拓
    加藤拓
    筑波大学大学院生命環境科学研究科にて博士課程を修了。在学時、火山噴火後に徐々に森が形成されていくにつれて土壌がどうやってできてくるのかについて研究し、修了後は茨城県農業総合センター農業研究所、帯広畜産大学での研究を経て、神戸大学、東京農業大学へ。農業を行う上で土壌をいかに科学的根拠に基づいて持続的に利用できるかに関心を持って研究を行っている。
  2. 槇 紗加
    槇 紗加
    1998年生まれ。日本女子大卒。レモン農家になるため、大学卒業直前に小田原に移住し修行を始める。在学中は、食べチョクなど数社でマーケティングや営業を経験。その経験を活かして、農園のHPを作ったりオンライン販売を強化したりしています。将来は、レモンサワー農園を開きたい。
  3. 沖貴雄
    沖貴雄
    1991年広島県安芸太田町生まれ。広島県立農業技術大学校卒業後、県内外の農家にて研修を受ける。2014年に安芸太田町で就農し2018年から合同会社穴ファームOKIを経営。ほうれんそうを主軸にスイートコーン、白菜、キャベツを生産。記録を分析し効率の良い経営を模索中。食卓にわくわくを地域にウハウハを目指し明るい農園をつくりたい。
  4. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  5. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
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