HOSAC、誰でも利用可能な無料RTKサービスを北海道と熊本県内で提供開始

株式会社HOSACは、誰でも利用可能な無料RTKサービス「HOSAC FREE RTKベータ版」を北海道および熊本県内で提供開始した。この取り組みにより、スマート農業機器の導入を促進し、日本の農業生産性向上に貢献していくとしている。


2025年中に道内全域をカバー、全国展開も


株式会社HOSACは、自動操舵システム「AG502」を販売する企業。先端技術製品を活用することで、さまざまな農業課題を解決していくことを目標に掲げている。

スマート農業は、AIやIoT技術を駆使して農作業の効率化を図り、農業従事者の負担を軽減する次世代の農業スタイルだ。中でもRTK技術は、センチメートル単位の高精度な位置情報を提供することで、農業機械の自動運転ドローンによる農薬散布を可能にし、生産性向上に大きく貢献する。

しかし、従来のRTKサービスは、年間数千円~数万円単位の費用が必要となるため、多くの農家にとって経済的負担となっていたという。

HOSACは、この課題を解決するため、自社で設置したRTK基地局を基盤に、誰でも無料で利用可能なNtrip方式のRTKサービス「HOSAC FREE RTKベータ版」の提供を開始した。これにより、コストの壁を取り除き、農業者が最先端技術をより身近に活用できる環境を実現する。

「HOSAC FREE RTKベータ版」は、高性能GNSSレシーバーと高速かつ低遅延のAWSサーバーを採用し、安定したRTK情報を配信できるのが特徴。また、農繁期の通信量増大に伴うサーバー負荷の耐久性を向上している。

ユーザーはインターネット接続を通じて、高精度な位置情報を無料で簡単に取得でき、生産コストの削減や農業機械の自動操舵精度の向上、作業効率の改善による時間の短縮が期待できるという。

専用の申し込みサイトから登録し、接続情報を取得することで、すぐにサービスの利用開始が可能だ。

対応機種
  • Ntrip形式対応機器
HOSACが販売する自動操舵システムAG502の他、端末に直接アカウント情報を入力することでRTK情報を利用可能な自動操舵システムやドローン
  • Bluetooth経由でRTK情報を利用可能な機器
Bluetooth接続を通じてRTK情報を送受信可能な自動操舵システムや関連機器

提供エリア
提供エリアはHOSAC公式サイトで確認できる。
提供エリアの一例
<北海道>
札幌市、富良野市、上富良野町、中富良野町、南富良野町、美瑛町、東川町、北見市、美幌町、大空町、網走市、清里町、京極町、倶知安町、喜茂別町、新狩町、池田町、幕別町、小清水町、中標津町、標津町、別海町、清里町、斜里町など多数。
<熊本県>
八代市、氷川町、宇城市、宇土市、五木村、甲佐町、美里町、御船町、嘉島町、上天草市、芦北町、球磨村、山江村、相良村
※記載の行政区内の一部地域は提供エリア外。


なお、北海道富良野市では、市内に設置されたRTK基地局により、多くの自動操舵システムが導入されており、すいか農家やたまねぎ農家を中心に、HOSAC FREE RTKベータ版が活用されている。

代表コメント
「日本の農地を最大限に活用するには、最先端技術の導入が不可欠です。HOSAC FREE RTKベータ版は、農家の皆さまがランニングコストを気にすることなくスマート農業を始められる環境を提供します。このプロジェクトを通じて、北海道内でのサービスを拡充しながら、全国各地でも展開を順次進めてまいります」

HOSACは、2025年末までに、北海道全域をカバーするRTK基地局ネットワークを構築し、順次全国各地もカバーする計画だという。特に、自動操舵技術やスマート農業の需要が高い地域を優先し、より多くの農家が恩恵を受けられるようにしていく。


株式会社HOSAC
https://hosac.co.jp/

「HOSAC FREE RTK ベータ版」専用サイト
https://hosac.co.jp/freertk/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
  5. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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