品種改良にも活用可能 世界最高速ゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータが開発

最先端の半導体技術を用いてゲノム解析の高速化を目指す株式会社Mitate Zepto Technicaは、品種改良など農業分野での活用が見込める世界最高速のゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータの基本設計に成功した。

ゲノム解析とは、生物や植物が持つ遺伝情報を総合的に解析して、DNA配列の違いが違生物種間にどの様な違いをもたらすかを解明する技術である。同社は新開発のハードウェア・アクセラレータの提供を通じて、食糧やエネルギー、バイオテクノロジーなど地球規模で抱える社会課題の解決に貢献したい考えだ。


植物のゲノム解析に必要なデータ処理の時間を5分以下に短縮


Mitate Zepto Technicaが開発したハードウェア・アクセラレータは、ゲノム解析に必要なシーケンスデータのマッチング処理とアラインメント処理の時間を従来装置の10倍以上の速度である5分以下に短縮したもの。これによりスーパーコンピューター等の大型コンピューターを使用せずにゲノム解析ができるようになる。

特徴は以下の通り。

  • 解析スループットを約10倍にすることでランニングコストを大幅に低減
  • システム構築コストを従来の5分の1にすることでイニシャルコストを大幅に低減
  • 解析システム導入機関の増大によるゲノム診断の裾野拡大と平準化
  • 解析データの増大化によるバイオテクノロジーの進化を加速

Mitate Zepto Technicaが、世界最高速のゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータの基本設計に成功した背景には、膨大なゲノムデータを効率良く処理する独自アルゴリズムの開発と卓越したプロセッサ設計技術の採用、優秀な技術者集団によるマルチコア実装技術の実現、低消費電力技術等の技術的優位性があるという。

代表取締役社長である原島圭介氏は、「世界最高速のゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの新開発により、医療分野から食料分野まで、人類共通のさまざまな社会課題の解決に貢献してまいります」とコメント。

2021年中には試作システムを完成させ、2022年には量産を開始する方針だ。


株式会社Mitate Zepto Technica
https://mitatezeptotechnica.com/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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