栽培管理支援システム「xarvio® FIELD MANAGER」の国内提供が4月よりスタート

ドイツの総合化学メーカーBASFの子会社であるBASFデジタルファーミング社は、AIベースの栽培管理最適化デジタルプラットフォーム「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオフィールドマネージャー)」の日本進出を発表した。

「xarvio® FIELD MANAGER」の日本進出は、全国農業共同組合連合会(JA全農)との協業で実現したもので、アジア太平洋地域では日本が最初の国となる。2021年4月から水稲と大豆を対象にサービスが開始され、将来的には対象作物の拡大も予定している。


世界16か国で利用されている農業向けのデジタル・ソリューション


「xarvio® FIELD MANAGER」は、播種から収穫まで各圃場・作物ごとの栽培管理を包括的に行うデジタル・ソリューション。過去の栽培データや病害リスク、気象データなどあらゆるデータをAIが分析し、圃場のリアルタイム情報や推奨作業を提供するというもの。同社が提供する病害・雑草の画像診断システム「xarvio® SCOUTING」との連携により、圃場で発生している病害や雑草を正確に特定し、適切な対策を行える。

営農管理システム「Z-GIS」との連携も


同社が日本市場で展開する「xarvio® FIELD MANAGER」は、水稲に特化したバイオマスマップや0.5ヘクタール未満の農地でも利用可能なNDVIマップ、雑草防除支援機能など、日本独自の農業生産に対応する機能が追加されている。

JA全農と協力して実施した実証実験では、生育ステージの予測と病害発生の予測を課題に、高い的中率を示すデータを得ることに成功した。また、JA全農が開発・運用する営農管理システム「Z-GIS」との連携することで、圃場管理データを同期し管理することも可能。

今後は、スマート農業技術を備えた農薬散布ドローンやGPS付きトラクター、圃場センサー等との連携を進め、効率的かつ持続可能な農業生産を目指すと同時に、JA全農との協業を通じて日本市場での普及と対象作物の拡大を推進していく方針を固めている。

「xarvio® FIELD MANAGER」は無料と有料2つのプランがあるが、2021年7月末まではすべてのサービスを無料で利用できるとのこと。利用方法は、「xarvio® FIELD MANAGER」のホームページでユーザーアカウントを開設し、開設後は手持ちのパソコン・タブレット・スマートフォンなどですぐに利用開始することができる。

なお、4月1日(木)にはサービスの内容や機能、利用者の感想を紹介するオンラインイベントの開催も予定している。

オンラインセミナー開催概要

栽培管理支援システム「xarvio® FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」とは?
日時:2021年4月1日(木) 13:00~15:00
料金:無料
申込:https://event.on24.com/wcc/r/3065416/401190478923D9970368DBCC4FD11771


内容
1. BASFのデジタル農業の取り組みと「xarvio® FIELD MANAGER」の紹介
2. スマート農業を実現する全農の提案
3. 生産者インタビューとパネルディスカッション
4.「xarvio® FIELD MANAGER」と「Z-GIS®」の利用方法・申込方法BASFジャパン株式会社


BASFジャパン株式会社
https://www.basf.com/jp/ja.html

xarvio® FIELD MANAGER
https://crop-protection.basf.co.jp/xarvio-Digital-Farming-Solutions

営農管理システム Z-GIS
https://z-gis.net/99/

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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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