マレーシアのドローン企業エアロダイン社が農業分野へ本格進出 日本法人も

マレーシア発のグローバル・ドローン・カンパニーであるエアロダイン(Aerodyne Ventures Sdn Bhd)は、リアルテックホールディングス株式会社が運営するリアルテックグローバルファンド、KOBASHI HOLDINGS株式会社、株式会社自律制御システム研究所を引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。

エアロダインは、今回得た資金を原資に、農業向け新ソリューション「Agrimor」や日本市場での事業展開をさらに進め、農業分野への進出を本格化していく。


エアロダインは、マレーシアのクアラルンプールを本拠に、スマート・ドローン・ソリューション「DT3(ドローン・テック、データ・テック、 デジタル・トランスフォーメーション)」を展開する企業。電線網や通信鉄塔、発電施設、プランテーション、 港湾設備、 工事現場等のインフラ設備など、AI技術を活用した企業向けのドローンソリューションを世界35カ国に向けて提供している。

2020年11月には、日本法人であるエアロダインジャパン株式会社が自律制御システム研究所と共同で、有人地帯上空での目視外飛行に必要な試験体制をASEANにて構築するプロジェクトをスタート。2020年12月からは自律制御システム研究所開発の産業用ドローンを用いて、有人地帯での飛行の安全性を示すための試験をマレーシアにて実施している。


精密農業を実現するための実証実験を開始


東南アジアではコメ、パーム、パイナップルなどのプランテーション型農業が一大産業であるが、労働集約的で環境負荷の高い農法になっているケースが多く、効率化へのポテンシャルが高いと期待されている。

エアロダインは現在、大規模農場を保有する複数のマレーシア企業と共同で実証実験を開始。ドローンを活用して農作物の健康状態や収穫量をモニタリングし、データを活用した精密農業を実現できるサービス構築を目指す。2022年以降には、インド、 インドネシア、 タイの3国で同様の実証実験を展開していく方針だ。


エアロダイン(Aerodyne Ventures Sdn Bhd)
https://aerodyne.group/
リアルテックファンド
https://www.realtech.fund/
KOBASHI HOLDINGS株式会社
https://www.kobashiholdings.com/
株式会社自律制御システム研究所
https://www.acsl.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
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    川島礼二郎
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    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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