翔栄クリエイト、固定種・在来種を使用した自然栽培野菜を販売開始

再生可能エネルギー事業を柱に、農薬や化学肥料を使用しない自然栽培に取り組む株式会社翔栄クリエイトは、固定種・在来種にこだわったオリジナルブランドの農産物商品「超自然シリーズ」の販売を開始した。

「超自然シリーズ」のロゴマーク
自然栽培とは、植物と土が本来持つ力と自然由来の有機肥料のみを使用する環境負荷が少ない農業方式のこと。資材費のコスト削減やブランド力の向上等も見込めることから、「持続可能な農業生産にも貢献する」として、注目を集めている。

農林水産省が2021年3月に取りまとめた「みどりの食料システム戦略」の中間報告では、農薬の使用による生態系への影響や肥料に含まれる窒素による温室効果ガスの発生等の懸念から、2050年を目標に有機農業の面積を国内農地の25%(100万ヘクタール)まで拡大する方針と、農薬の使用を50%、化学肥料の使用を30%削減する目標を示している。

固定種・在来種のみを使用した自然栽培の野菜


翔栄クリエイトは今回、保有する翔栄ファームにて、固定種・在来種(F1種でない)の種子に限定して育てる、農薬・化学肥料不使用にこだわった自然栽培野菜、およびこれらを使用した加工品に、オリジナルブランド「超自然」シリーズと命名して展開をスタート。自然食品以外の食材混入を防ぐため、収穫した自然栽培野菜の加工はすべて自社で行っている。

自家採種の取り組みも進め、2019年に作付けを開始した群馬県前橋市の前橋農場では、自家採種の品種の割合が約4割に達した。

新型コロナウイルス感染拡大が始まった昨年には、外出自粛の影響を受ける消費者ニーズに応えるため、自然栽培野菜を届けるECサイト「しぜんとくらそ」のサービスも強化。2021年2月には、前年同月と比較して約8倍の売り上げを記録した。


ECサイト「しぜんとくらそ」定期宅配商品の一例
「無農薬・自然栽培 季節の産直野菜いろどりセット」
・Sサイズ:6~8種類(税込価格2000円)
・Mサイズ:8~10種類(税込価格4000円)

商品の購入は、ECサイト「しぜんとくらそ」のほか、東京都中野区ある自然食品専門のショップ「ビセットプラザ」にて。同社は、「超自然シリーズ」の販売を通じて、環境負荷が少ない持続可能な農業生産の実現に向けアグリ事業を強化したい考えだ。

今後は、養蜂やソーラーシェアリング下での原木シイタケ栽培、無農薬での稲作、果樹栽培など6次産業化の拡大等に取り組む予定とのこと。


株式会社翔栄クリエイト
https://syouei-corp.net/
自然食品専門ECサイト「しぜんとくらそ」
https://shizekura.net/
自然食品専門ショップ ビセットプラザ 東京中野店
https://beset-plaza.net/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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