有機農業向けWebサービス「farmO」が有機JAS取得サポート機能を追加

持続可能な農業の普及を目指す株式会社坂ノ途中は、有機農業に取り組む生産者を支援するWebサービス「farmO(ファーモ)」において、有機JAS認証取得に必要な記録類の作成をサポートする「格付・出荷記録ダウンロード機能」を追加した。


農林水産省が2021年3月に公表した「みどりの食料システム戦略」では、 2050年までに有機農業に取り組む面積を100万ヘクタールまで拡大する目標を掲げている。

しかし、小規模経営や家族経営の農業者は、有機JAS認証と同等の基準を満たしていても、認証に必要な事務作業を進める人員的余裕が無いため、申請そのものを諦めてしまうケースも少なくないそうだ。

IT技術で有機農業の課題を解決


「farmO」は、事務作業の省力化、顧客開拓、 物流費の軽減など、有機農業に取り組む生産者が直面する3つの課題を解決するために開発されたWebサービスである。特徴は以下の通り。

・販売管理でデータとつながる
出荷情報や受注情報をデータとして蓄積し、事務作業の省力化を図ることができる。今回の機能追加で、有機JAS申請・更新に必要なデータも記録・出力可能に。

・マッチングで買い手とつながる
約400件(2021年6月現在)の登録ユーザーを対象に、専用の掲示板を利用して注文表の公開や投稿ができ、顧客開拓につなげることができる。

・発送お助けサービスで物流がつながる
大手物流企業と連携し、全国2000か所の物流センターで安価な送料での有機農産物の発送が可能に。

有機JAS認定に必要なデータ作成をサポート


今回追加した「格付・出荷記録ダウンロード機能」は、有機JAS認証を既に取得している生産者を対象に実施したヒアリング調査で寄せられた意見を参考にしたもの。詳細は以下の通りだ。

  • 格付・出荷記録に必要なデータをExcelファイルでダウンロード
  • 期間設定によるデータ出力で証票管理の残数や出荷量を自動で計算
  • 生産行程管理者等のJAS基本情報を自動で入力




世界の有機農産物の流通量は、日本の輸出金額が2015年から2018年の間で3.1倍に増えるなど、2008年から2018年までに約2倍に増加している。同社は、今後も生産者へのヒアリングを継続し、サービスの拡充を進める考えだ。


株式会社坂ノ途中
https://www.on-the-slope.com/
「farmO(ファーモ)」
https://www.farm-o.net/start
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WRITER LIST

  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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