ハタケホットケ、農作業自動化ロボットの完成目指し資金調達を開始

株式会社ハタケホットケは、株式投資型クラウドファンディングサービス「イークラウド」を通じた資金調達を行うと発表。投資申し込みの受付を開始した。


農作業自動化ロボット「タンボホットケール」の完成目指す


株式会社ハタケホットケは、IoT・AI・ロボティクスなどのテクノロジーを活用して農作業の負担を軽減させ、農薬を使用せずに栽培した農産物の普及拡大に取り組む企業。田んぼの土を攪拌して光合成を妨げることで除草できるロボット「ミズニゴール」の開発などを行っている。

今回、イークラウド株式会社が手がける株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」を活用した資金調達を開始した。

株式投資型クラウドファンディングとは、非上場株式の発行により、インターネットを通じて複数の投資家から少額ずつ資金を集める仕組みで、2015年の金融商品取引法改正に伴って可能となった資金調達手段だ。スタートアップへの資金供給強化策のひとつとして、政府において制度拡充の検討が進められているという。


近年、日本の農業は生産者の高齢化や後継者不足、農薬・化学肥料の使用による環境負荷などの課題が顕在化している。世界各国でも同様の課題を解決するため持続可能な農業への取り組みが進んでおり、EUは2030年までに全農地の25%を有機農業とする「Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略」を掲げている。

日本では2021年5月、農林水産省が「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに有機農業を全農地の25%まで拡大する目標を掲げているが、イタリアやドイツ、スペインなどのヨーロッパ各国が10%を超える一方、日本は約0.6%にとどまっているのが現状だ。

この大きな理由として、日本は農地全体に占める水田の比率が多く、有機農業の拡大を目指すうえでの課題となっていることが挙げられるという。


水田は草地に比べて土壌管理や雑草対策、病害虫対策が特に難しく、有機農業を行うには高度な技術が求められる。そのため農林水産省は、2050年の目標を達成するには2040年までに「次世代有機農業技術」を確立することが必要であるとしている。

こうした現状の中、国内の農産物総生産量のうち有機米が占める割合は0.12%にとどまっており、その要因となっている最大の課題は除草作業にあるという。

そこで、次世代有機農業技術として注目されているのが、ハタケホットケ社も開発に取り組む「除草ロボット」だ。


同社は、最終的に時間と労力のかかる農作業を自動化するロボット「タンボホットケール」を提供することを目標にしている。

これが実現することで、農業従事者の仕事がよりクリエイティブなものになり、味・安全性の追求や食品加工、販路拡大、ブランディングなどの仕事が拡大すると考えている。



イークラウド ハタケホットケ詳細ページ
https://ecrowd.co.jp/projects/41
株式会社ハタケホットケ
https://hhtk.jp/
株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」
https://ecrowd.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、福岡県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方、韓国語を独学で習得(韓国語能力試験6級)。退職後、2024年3月に玄海農財通商合同会社を設立し代表に就任、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサルティングや韓国農業資材の輸入販売を行っている。会社HP:https://genkai-nozai.com/home/個人のブログ:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 堀口泰子
    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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