AI獣害対策に向けたデータセンシング、兵庫県でスタート

兵庫県南あわじ市灘白崎で「あわじのむらづくり」を推進する合同会社ばとんは、三重大学大学院生物資源学研究科助教授の内藤啓貴氏と共同で、独自の獣害対策システムを開発するために必要な情報を収集するデータセンシングを開始した。


野生動物のデータを採集しAIに学習させる


同社が推進する「あわじのむらづくり」は、美しい景観と荘厳な雰囲気が魅力の兵庫県南あわじ市灘白崎に人と自然が調和した持続可能な地域をつくるプロジェクトである。

兵庫県南あわじ市灘地区は、 ビワやみかんなど柑橘類の栽培が盛んな地域として知られているが、近年は野生動物による被害を理由に、栽培そのものを諦めてしまう農家が増えているという。

今回のデータセンシングは、「AIによる野生動物の自動検知システム」および「検知したデータに基づく野生動物の自動追払いシステム」の構築に必要な野生動物の熱画像データや音声データを収集するもの。現地では「令和3年度三重大学中小企業との共同研究スタートアップ促進事業」支援の下、各種センサー類を使用した熱画像の計測が行われている。

兵庫県南あわじ市灘白崎地区に設置したセンサー類
熱画像計測の様子
実際に撮影された野生動物の様子
将来的には、これらのシステムをパッケージ化した商品の販売も計画されているとのこと。


合同会社ばとん
https://llcbaton.co.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
  2. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  3. 石坂晃
    石坂晃
    1970年生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、九州某県の農業職公務員として野菜に関する普及指導活動や果樹に関する品種開発に従事する一方で、韓国語を独学で習得する(韓国語能力試験6級取得)。2023年に独立し、日本進出を志向する韓国企業・団体のコンサル等を行う一方、自身も韓国農業資材を輸入するビジネスを準備中。HP:https://sinkankokunogyo.blog/
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    川島礼二郎
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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