farmo、気象センサーによる果樹の霜害対策を山形県で開始

栃木県宇都宮市を本拠にIoT製品の開発・販売を手がける株式会社farmoは、果樹園内の気象情報をピンポイントに測定する気象センサーの導入を山形県で開始した。


山形県は、全国一位の生産量を誇るさくらんぼなど国内有数の果樹生産地として知られているが、近年は農作物の霜被害が深刻化している。

果樹は花芽の時期に霜があたると果実の生育が阻害されてしまうため、発表されている気象予報を参考に霜対策を実施しているが、予報の内容が各地域の果樹園の気象状況と必ずしも一致するものではないため、霜対策が難しい状況にあるという。


霜対策専用のIoT気象センサー


同社が開発した気象センサーは、スマートフォンを利用して果樹園内の気象情報をリアルタイムに測定・通知する霜対策専用のIoT気象センサーで、さくらんぼやりんご、西洋なしを栽培する山形県内の果樹園57か所への設置がすでに完了している。(2021年11月8日時点)

今回の本格導入は、同社が山形県農政部と共同で進めてきた実証実験の成果を受けてのもので、現在は気象センサーの設置に協力した生産者自らがスマートフォンを利用して気象データを確認するなど、本格導入に向けた協力体制づくりも進められている。

現在は果樹園内のピンポイントの低温注意や、気温・降雨のデータから病害虫の発生を予測するプッシュ通知型のシステムを開発中。2022年2月には生産者が低コストで導入できるアプリ型の霜検知センサーも提供していく予定だ。


株式会社farmo
https://farmo.co.jp/
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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