JR東日本ら、農繁期の人手不足解消を目的とした企業研修を山形県で開催

東日本旅客鉄道株式会社東北本部(以下、JR東日本)は、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)山形支店、日本郵便株式会社(以下、日本郵便)東北支社と共同で、企業人の副業やボランティアでの農作業支援を目的とした企業連携プログラムを2024年6月18・19日に山形県天童市で開催した。


企業連携を通じて農繁期の人手不足解消と地域活性化を目指す


日本国内では、農業従事者の高齢化や担い手不足が深刻化しており、特に農繁期の人手不足は大きな課題となっている。このような課題に対し、JR東日本は1日農業バイトアプリ「daywork」の法人向け機能を利用し、企業人が農業労働力として活躍できる土台を作り、農作業参加を推進してきたという。

今回のプロジェクトでは、山形県天童市の経済部農林課・商工観光課の協力のもと、さくらんぼの収穫やパック詰めなどの農作業を行ったほか、企業人と地元の農業関係者が農業の課題解決や地域の活性化について意見交換を行う異業種合同ディスカッションも実施された。


今回のプログラムに利用されたdayworkは、1日単位で農業に従事したい人と生産者をマッチングするスマホアプリで、2023年度のマッチング実績は、全国で延べ13万人以上だという。


新たに法人向け機能も追加されており、法人会員企業の従業員は、掲載された求人に対し応募が可能となる。一方、企業側は、管理画面で従業員の副業先や副業時間などを把握でき、労務管理の効率化を実現できるという。


プログラム参加者の役割は以下の通りだ。

JR東日本
・1日農業バイトアプリ「daywork」を活用し、企業人が農業労働力として活躍できる環境整備。
・アプリを活用した従業員による農業支援への参画、本取組みを通した副業促進に向けた社内への情報発信。
天童市
・本プログラムの受け入れ体制の整備(JA・農家との調整、送迎・ディスカッション会場の手配など)
・異業種合同ディスカッションにおける課題提起。
NTT東日本
・アプリを活用した従業員による農業支援への参画、同取組みを通した副業推進に向けた社内への情報発信。
・農業課題解決に資するソリューションの提案など。
日本郵便
・既存の手動マッチングから切り替え、アプリを活用した従業員による農業支援ボランティアの参画継続、本取組みに係る社内への情報発信。

4者は、スポットでの労働力が必要となる農繁期作業について、企業人の副業やボランティアによる農作業支援により人手不足を解消するとともに、企業が従業員の副業などを推進する環境づくりを目指すとしている。

将来的には、企業人が農業との接点を持つことで、農業に興味を持つ人材の育成を図るとともに、交流人口の創出により持続可能な地域社会の実現を推進するという。


東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/
天童市
https://www.city.tendo.yamagata.jp/
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
https://www.ntt-east.co.jp/
日本郵便株式会社
https://www.post.japanpost.jp/index.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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