農研機構、害虫の飛翔位置予測技術を開発 レーザーによる防除に活用
農研機構は、モデル化した害虫の飛行パターンとステレオカメラで撮影した画像で算出した3次元情報を利用して害虫の飛行位置を予測する技術を開発した。
現在、日本では空中を飛翔する害虫をピンポイントで照射する高出力レーザーを使用した害虫駆除技術の研究・開発が進められているが、その実現には空中をすばやく飛び回る害虫の位置を正確に検出する技術とレーザーを照射するまでのタイムラグ(約0.03秒)を解消する技術の2つが必要だという。
研究では、不規則に飛行する8匹のハスモンヨトウを1秒間に55回のペースで撮影して3次元上の飛翔軌跡を計測。
壁や柱、ノイズなど不要なものをリアルタイムに除去して、飛翔するハスモンヨトウのみを検出する技術を考案した。
しかし、このままの技術では、レーザーを照射するまでのタイムラグが生じてしまうため、少しだけ先の飛翔位置(2~3cm)を予測できる新たな技術を開発。その結果、検出から0.03秒後の飛翔位置を1.4cm程度の精度で予測することに成功したそうだ。
今回の研究は、農林水産省が実施するムーンショット型農林水産研究開発事業のひとつである「害虫被害ゼロコンソーシアム(先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現)」の一環で行われたもの。複数のハスモンヨトウの飛翔パターンの予測が可能なモデルと、レーザー照射の方向を制御できるシミュレーターを使用して効率的なシステム開発が進められている。
農研機構は、農業用ドローンや農業用ロボットへの搭載など2025年の実用化を目標に、今後も研究を継続していく考えだ。
農研機構
https://www.naro.go.jp/index.html
0.03秒後の飛翔位置を予測
現在、日本では空中を飛翔する害虫をピンポイントで照射する高出力レーザーを使用した害虫駆除技術の研究・開発が進められているが、その実現には空中をすばやく飛び回る害虫の位置を正確に検出する技術とレーザーを照射するまでのタイムラグ(約0.03秒)を解消する技術の2つが必要だという。
研究では、不規則に飛行する8匹のハスモンヨトウを1秒間に55回のペースで撮影して3次元上の飛翔軌跡を計測。
壁や柱、ノイズなど不要なものをリアルタイムに除去して、飛翔するハスモンヨトウのみを検出する技術を考案した。
しかし、このままの技術では、レーザーを照射するまでのタイムラグが生じてしまうため、少しだけ先の飛翔位置(2~3cm)を予測できる新たな技術を開発。その結果、検出から0.03秒後の飛翔位置を1.4cm程度の精度で予測することに成功したそうだ。
今回の研究は、農林水産省が実施するムーンショット型農林水産研究開発事業のひとつである「害虫被害ゼロコンソーシアム(先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現)」の一環で行われたもの。複数のハスモンヨトウの飛翔パターンの予測が可能なモデルと、レーザー照射の方向を制御できるシミュレーターを使用して効率的なシステム開発が進められている。
農研機構は、農業用ドローンや農業用ロボットへの搭載など2025年の実用化を目標に、今後も研究を継続していく考えだ。
農研機構
https://www.naro.go.jp/index.html
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