台湾が日本産食品の輸入規制を緩和 条件付きで輸出が可能に

農林水産省は、台湾による日本産食品の輸入規制が緩和されたことを明らかにした。



放射性物質検査報告書等の添付が条件


2022年2月8日に台湾当局が発表した緩和案に対して各界からの意見募集を行った結果、福島県などの日本産食品の輸入規制措置が決定した。

台湾当局は、日本政府の10年以上に及ぶサンプリングや、除染や監視措置を受けて、日本から輸入した農産物のリスクが減少したと判断した形だ。具体的には、これまで輸出停止となっていた福島県・栃木県・茨城県・群馬県・千葉県の食品が放射性物質検査報告書および産地証明書の添付を条件に輸出可能となった。野生鳥獣肉・キノコ類・コシアブラを除くすべての食品が該当する。

台湾は日本にとって第4位の日本産農林水産物・食品の輸出相手国であり、2021年の輸出額は1245億円にのぼる。2025年までに農林水産物食品の輸出額を2兆円、2030年に5兆円に増加させる目標を達成する上で、輸出拡大に大きな弾みとなりそうだ。


東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う諸外国・地域の輸入規制への対応
https://www.maff.go.jp/j/export/e_info/hukushima_kakukokukensa.html
台湾の輸入規制措置の概要(緩和前)
https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/sum_tw.pdf
台湾側公表の輸入規制の緩和案
https://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/sum_tw_220208.pdf
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  3. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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    鈴木かゆ
    1993年生まれ、お粥研究家。「おかゆ好き?嫌い?」の問いを「どのおかゆが好き?」に変えるべく活動中。お粥の研究サイト「おかゆワールド.com」運営。各種SNS、メディアにてお粥レシピ/レポ/歴史/文化などを発信中。JAPAN MENSA会員。
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    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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