AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」によるイチゴ栽培の実証結果が公表

AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」を提供する株式会社ルートレック・ネットワークスは、スマート農業実証プロジェクト「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」で実施した実証実験の結果を公表した。


「ゼロアグリ」は、農作物の成長に必要な水やり作業や施肥作業を自動で実行する潅水施肥システム。
各種センサーで取得した情報や気象情報を基に、AIが最適な潅水量と施肥量を判断してくれるのが特長で、作業の省力化や安定化、収量・品質の向上に役立つという。

ゼロアグリ全体概要図
ゼロアグリの管理画面(イメージ)

点滴チューブを使用した潅水施肥(イメージ)

作業時間削減効果と収量向上効果を検証


「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」は、中山間地域にある直売型イチゴ園の高収益化を目的に、データ駆動型農業の実現に必要な機器を導入して、生産から販売までの流れを一貫で管理するプロジェクトである。

今回の実証実験では、作業時間削減効果と収量向上効果の検証を目的に、「ゼロアグリ」を活用した養水分管理と低コストな環境制御装置(UECS)を活用した温度管理を実施。

その結果、10アール当たり42時間の作業時間削減効果と17.3%の収量向上効果が確認。また、廃棄果実量については60.7%減少したという。

慣行区との作業時間比較。

慣行区との収量比較。果実廃棄率も60.7%削減。
実証実験で使用した「ゼロアグリ」

同社は「ゼロアグリ」の提供を通じ、コンソーシアムの目標である「農業者の所得6割増・収量3割増」を達成したい考えだ。


ゼロアグリ
https://www.zero-agri.jp/
株式会社ルートレック・ネットワークス
https://www.routrek.co.jp/
「新しい時代を切り開く直売型スマートイチゴ生産・経営モデル実証コンソーシアム」
https://www.maff.go.jp/kanto/seisan/kankyo/smart/project2020-2.html
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  1. 福田浩一
    福田浩一
    東京農業大学農学部卒。博士(農業経済学)。大学卒業後、全国農業改良普及支援協会に在籍し、普及情報ネットワークの設計・運営、月刊誌「技術と普及」の編集などを担当(元情報部長)。2011年に株式会社日本農業サポート研究所を創業し、海外のICT利用の実証試験や農産物輸出などに関わった。主にスマート農業の実証試験やコンサルなどに携わっている。 HP:http://www.ijas.co.jp/
  2. さとうまちこ
    さとうまちこ
    宮城県の南の方で小さな兼業農家をしています。りんご農家からお米と野菜を作る農家へ嫁いで30余年。これまで「お手伝い」気分での農業を義母の病気を機に有機農業に挑戦すべく一念発起!調理職に長く携わってきた経験と知識、薬膳アドバイザー・食育インストラクターの資格を活かして安心安全な食材を家族へ、そして消費者様に届けられるよう日々奮闘中です。
  3. 北島芙有子
    北島芙有子
    トマトが大好きなトマト農家。大学時代の農業アルバイトをきっかけに、非農家から新規就農しました。ハウス栽培の夏秋トマトをメインに、季節の野菜を栽培しています。最近はWeb関連の仕事も始め、半農半Xの生活。
  4. 川島礼二郎
    川島礼二郎
    1973年神奈川県生まれ。筑波大学第二学群農林学類卒業。フリーラインスの編集ライターとして、テクノロジーをキーワードに、農業雑誌・自動車雑誌などで執筆・編集活動中。
  5. 柏木智帆
    柏木智帆
    米・食味鑑定士/お米ライター/ごはんソムリエ神奈川新聞の記者を経て、福島県の米農家と結婚。年間400種以上の米を試食しながら「お米の消費アップ」をライフワークに、執筆やイベント、講演活動など、お米の魅力を伝える活動を行っている。また、4歳の娘の食事やお弁当づくりを通して、食育にも目を向けている。プロフィール写真 ©杉山晃造
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