岡山大学の研究チームが果実の遺伝子の動きを予測するAI技術を開発

国立大学法人岡山大学大学院 学術研究院環境生命科は、農研機構、国立大学法人筑波大学大学院、国立大学法人九州大学大学院と実施した共同研究で、AI技術のひとつである深層学習(ディープラーニング)を活用して、果実の遺伝子の動きを予測する技術を開発した。


果実が熟する遺伝子の動きを予測


果実の色や甘さ、香りなどの特徴は、作物のゲノム内に存在する特定の遺伝子の動きで決定するが、その動きはゲノム構造の中にある複雑な要素の組み合わせで決まるため、ゲノム配列の情報がすべて明らかになっていても、遺伝子の動きを完全に予測することは難しかったという。

岡山大学らは、AI技術のひとつである深層学習をトマトのゲノム情報に適用することで、果実が熟すタイミングで起こる遺伝子の動きを予測する技術を開発。さらに、「説明可能なAI (X-AI)」と呼ばれる技術を活用することで、遺伝子の動きの重要な要素となるDNA配列を特定した。





岡山大学大学院 学術研究院環境生命科は、人間では判断が難しい膨大なゲノム情報の中にある遺伝子の仕組みを紐解くことで、果実のさまざまな特徴に関してのデザインが可能になると期待している。


国立大学法人岡山大学大学院 学術研究院環境生命科
https://www.gels.okayama-u.ac.jp/
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  1. 田牧一郎
    田牧一郎
    日本で15年間コメ作りに従事した後、アメリカに移り、精米事業、自分の名前をブランド化したコメを世界に販売。事業売却後、アメリカのコメ農家となる。同時に、種子会社・精米会社・流通業者に、生産・精米技術コンサルティングとして関わり、企業などの依頼で世界12カ国の良質米生産可能産地を訪問調査。現在は、「田牧ファームスジャパン」を設立し、直接播種やIoTを用いた稲作の実践や研究・開発を行っている。
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    福田浩一
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    石坂晃
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    堀口泰子
    栄養士、食アスリートシニアインストラクター、健康・食育シニアマスター。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。アスリートの食事指導や栄養サポートの他、離乳食から介護予防まで食を通じて様々な食育活動を行う。料理家としても活動し、レシピ提案、商品開発も担う。食事は楽しく、気負わず継続できる食生活を伝えることを信条とする。スポーツの現場ではジュニアの育成、競技に向き合うための心と体の成長に注力している。HP:https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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